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世界スーパーライト&ウエルター2階級制覇チャンプの再起戦

林壮一ノンフィクションライター
(写真:Shutterstock/アフロ)

 7月30日のホセ・ベナビデス(30)戦を控えた元WBA/WBCスーパーライト&WBCウエルターの2階級制覇王者、ダニー・ガルシア(34)が先日オンライン会見に出席した。

 ガルシアは、2020年12月5日にエロール・スペンス・ジュニアに敗れて以来の再起戦となる。ガルシアもベナビデスも、来る30日がスーパーウエルター級での初試合となる。

写真:Splash/アフロ

 ガルシアは言った。

 「エロール・スペンス・ジュニア戦は激しい削り合いだった。次のステップに向かうことを、俺に決意させたね。今回の試合は自分にとって、SHOWTIMEでオンエアされる11戦目だ。スペンス戦の敗北からブランクを作ることにはなったが、ジムでのトレーニングは欠かさなかった。自分はこの10年間、ずっとトップレベルで戦ってきた。多少、精神的な疲れも覚えていた。だから、ちょっとした休息が必要だった。

 実際休んだら、リングが恋しくなったよ。今、メンタルも肉体も非常にいい状態にある。ファンに喜んで頂けるファイトをお見せするよ。

 このキャンプでは多くの若手とスパーリングをこなしている。彼らの持つハングリーさは、刺激になるね。試合だけじゃなく、日々の練習を目にするからこそ、学ぶことが多い。こういった時間が大事なんだ。練習では毎日ヘトヘトになるが、そんな中でも楽しい時間を過ごせている。幸せを感じるよ。

 俺はアマチュア時代から、140パウンドや147パウンドで13年も戦ってきたけれど、常にナチュラルウエイトはもっと重く、減量が大変だった。スーパーウエルター級は自分にフィットしているよ。自分の若さと瑞々しさを再確認できている。今の俺は強いし、スタミナもたっぷりあるよ。

写真:REX/アフロ

 お陰様で自分を応援してくれるメキシコ人ファンも多い。同じラティーノってことでかな。俺がリングに上がると、多くのラティーノが声援を送ってくれるんだ。こちらも彼らを愛している。

 相手に合わせず、必要以上のプレッシャーも感じず、自分らしい戦いをするだけだね。己の能力を最大限に発揮して勝ちにいく。今の俺は危険なファイターだぜ。

 去る5月28日、ジャーボンテイ・"タンク"・デービスが、6回KOでローランド・ロメロを下してWBAライト級タイトルを防衛した試合会場では、『何故、俺がこのリングに上がれないんだ?』って感じた。その反面、モチベーションが凄く上がったよ。デービスvs.ロメロに負けない内容のファイトをファンに届けたい」

写真:REX/アフロ

 ダニーの実父であり、トレーナーでもあるアンヘルも話した。 

 「154パウンドはダニーにとってパーフェクトです。あたらしい彼を築くことができますよ。このクラスのビッグネームと対戦させたいですね。我々は誰からも逃げませんから。

 ホセ・ベナビデスはこれ以上ない相手です。彼のメキシコの血と、我々のプエルトリカンの血が火花を散らすことになるでしょう」

 ガルシア親子は30日に向け、充実したキャンプを送っているようだ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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