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間もなくゴング! WBAライト級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクションライター
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 今夜、ついにWBAライト級タイトルマッチのゴングが鳴る。26戦全勝24KOの3階級制覇チャンピオン、ジャーボンテイ・"タンク"・デービスvs.14戦全勝12KOで同1位のローランド・ロメロ。

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 前日計量をデービスは133.75パウンド、ロメロは134.25パウンドでパスした。

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 その後、両者が並んでカメラマンに向かってポーズし始めた折、デービスは左手でロメロを突き飛ばし、檀上から落とす。怒りに震えた挑戦者が王者に掴みかかろうとして、計量会場はヒートアップした。

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 互いに敵愾心を感じている様子だが、最終記者会見での両者の言葉をお届けしたい。

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 チャンピオンのデービスは言った。

 「今日、ここにお集まりの皆さん、そして、この試合の実現に尽力してくれた全員にお礼を言いたい。非常に幸せだし、試合が待ち遠しい。もうファイトは始まっている。

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 本人がKO宣言しているように、ロメロは出てくる筈。それを見越して調整してきた。ブルックリンのバークレー・センターでの興行というのもワクワクする。素晴らしい地だし、熱いファンが沢山いるよね。

 自分にとって最初のタイトルを獲得したのがブルックリンだ。2本目のベルトを獲ったのもバークレー・センターだった。第二の故郷のように感じているんだ。今回の世界戦が当地で行われることは、ボクシング界にとっても非常にプラスだよ。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 俺はボクサーとして成熟した部分を持っているが、成長中な部分もある。デビュー時から支えてくれる人間たちに、今日も囲まれているのは喜ばしいね。

 火花を散らす戦いになるだろう。ヤツが肘打ちを多用しないことを祈る。ロメロは扱いにくい選手ではない。ジムにひょっこりやって来て、ボクシングを始めたばかりのような男だ。本物のファイターなら、ヤツがぎこちない動きをする素人だと理解できる。俺からすれば、ロメロは単なる頭の悪い選手さ。

 格の違いを見せてやるよ。ただボクシングジムに通っている男と、幼い頃から本気で上を目指してきた人間は違うんだ」

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 挑戦者ロメロも話した。

 「デービスは色々な言葉を並べるが、リングで戦うだけだ。この野郎は個人的な戦いと捉えていて、感情的になっている。そういう意味で、こちらも対戦を望んでいたよ。自分の仕事はデービスを叩きのめすことのみ。

 野郎は顔がデカいんでパンチを当てやすい。自分の発言がどう返ってくるのか全く分かっちゃいない。それにしても、必要以上に力が入っているよな。俺にビビッているんだろう。

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 まぁ皆さんは、ファーストラウンドでタンクがKO負けして、この試合が終わる様を見ることになるさ。他に何もないよ。今、俺は笑顔でここにいるが、試合当日は違うぜ。危険なファイターとして冷静にリングに上がる。

 野郎に倒された選手たちはビッグパンチャーから逃げようとしていた。でも、俺は倒しに行く」

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 全勝対決。ライバルの潰し合いとなったWBAライト級タイトルマッチ。目が離せない。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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