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モハメド・アリを模倣する23戦全勝14KOの世界ライト級2位

林壮一ノンフィクションライター
(C)Esther Lin/SHOWTIME

 WBAライト級2位、IBF同7位、WBO9位にランクされるドミニカ人、ミッシェル・リベラが自身23戦目のリングに上がり、判定勝ちを収めた。

 風貌をとことんモハメド・アリに似せてリングに上がるリベラは、米国ファンにその名を覚えられつつある。

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 フットワークとディフェンスは、アリに遠く及ばないが、ジャブのスピードとワンツーの鋭さは、昨年10月末の試合と比べ、大きな進歩を見せた。ジャブがリベラの勝因だったと言っていい。

 14勝(12KO)無敗2引き分けのジョセフ・アドルノも、けっして簡単な相手ではなかったが、序盤からジャブで試合をコントロールした。

 アドルノは強いフックでリベラをペースダウンさせたが、白星を挙げるには及ばなかった。

 ベルトラインに、"ザ・グレイティスト"の名を記したドミニカンは、毎ラウンド、少なくとも30発のジャブを放ち、3名のジャッジ全員が97-93でリベラの勝利を唱えた。

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 サントドミンゴで誕生し、現在、フロリダ州マイアミで生活するリベラは、英語でインタビューに応じられる点がアドバンテージとなっている。

 試合後、リベラは言った。

 「今回の試合に向け、4カ月のキャンプを張った。ノックアウトを狙っていたが、無敗のアドルノも非常にタフだった。パンチもあった。が、アリのような攻撃力が優ったね。勝利出来て嬉しい。俺には才能があるし、ボクシングに人生を捧げている。

 俺はモハメド・アリの生まれ変わりだ。だからこそ、ハードに練習し、世界タイトルを獲得してみせる!」

(C)Esther Lin/SHOWTIME
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 初黒星を喫したアドルノも話した。

 「接戦だったと思う。7ラウンドは俺がとった筈だ。ジャッジは俺の戦い振りを評価しなかったんだな。リベラよりも俺のクリーンヒット方が多かっただろう」

 24歳のリベラはアリの真似をしながら、自身のボクシングを磨いているようだ。さて、どこまで成長できるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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