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WBC/IBFウエルター級王者、エロール・スペンス・ジュニアが練習を公開

林壮一ノンフィクションライター
(C)Cooper Neill/SHOWTIME

 WBAウエルター級チャンピオン、ヨルデニス・ウガスとの統一戦を控えたWBC/IBF同級王者のエロール・スペンス・ジュニアが先日、練習を公開した。彼らは4月16日にテキサス州アーリントンで拳を交える。

(C)Cooper Neill/SHOWTIME
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 ウガスのトレーナーであるイスマエル・サラスは、2019年9月28日のスペンスvsショーン・ポーター戦、そして2020年12月5日のダニー・ガルシア戦の映像を目にし、「2試合のスペンスが同一人物とは思えない。彼は、何かを失った」と語った。

 同発言を耳にしたスペンスは、笑みを浮かべながら言った。

 「それらの試合よりも、ずっといいコンディションを作っているよ。精神面でも充実している。ウガスのトレーナーさんは、間も無くそれを理解するだろうな」

(C)Cooper Neill/SHOWTIME
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 スペンスは続ける。

 「非常にいい状態だ。いつでもリングに上がれるぜ。左目のケガ(網膜剥離)以降リングに上がれなかったが、体を休めストレスも消すことが出来た。心身ともに準備万端だ。目については、何の不安も無い。今、俺は誰よりも強い。100%の自分でリングに上がるよ。

 今回のトレーニングキャンプは素晴らしいよ。これ以上ないパートナーたちが集まってくれた。また、栄養士による指導でウエイトの問題も改善されたよ。自分の能力を駆使して、この統一戦を自分のモノにしてみせる。

(C)Cooper Neill/SHOWTIME
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 見る限り、ウガスは頑強でタフだな。彼はアメリカンドリームを掲げて生きているんだろう。キューバから亡命してさ…。そのまま頑張ってほしい。俺を倒すことを目標としているんだろうが、こちらもウガスのベルトが欲しい。

 自分以外の選手について何か言いたいとは思わない。自分のパフォーマンスがメッセージなんだよ。3本のベルトを手にしたら、その意味が分かるだろうね。

 パッキャオ戦が(網膜剥離で)流れてから、ずっと試合がしたかったんだ。ウガスはタフだし、様々な壁を乗り越えた男だが、彼を下して勝利を掴むよ。ウガスも俺を、更に上のレベルに押し上げてくれるだろう。そう希望している。

 テキサスって多くのメキシカンファンがいる。彼らの前で戦えるって、嬉しいことだよ。いい試合をお届けしたいね」

(C)Cooper Neill/SHOWTIME
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 個人的には左目の状態が気になるが、熱いファイトを期待したい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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