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決戦間近 WBA/WBC/IBF統一ウエルター級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクションライター
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 数日前、WBC/IBFウエルター級チャンピオンのエロール・スペンス・ジュニアとWBA同級王者のヨルデニス・ウガスによる記者会見が行われた。彼らは4月16日にテキサス州アーリントンで拳を交える。

 伝統あるウエルター級の統一戦としては、ボクシング史上12度目となる。

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 8月に左目網膜剥離の手術を終え、リングに復帰するスペンスは語った。

 「素晴らしいファイトになることは間違いない。ウガスは人生を懸けて戦いを挑んでくるだろう。望むところだ。故郷のファンの前で、最高のパフォーマンスを演じてみせるよ。家族や友人たちの声援が、俺のモチベーションを高めてくれる。

 (会場となる)ダラス・カウボーイズのスタディアムは満員となるだろう。カウボーイズの関係者にお礼を言わせてもらうよ。

 また、この統一戦に応じてくれたウガスにも感謝している。彼はタフだし偉大なる戦士。でも、今は俺の時代だから、もう1本、ベルトを増やしてみせる。4月16日の夜、俺は3団体統一ウエルター級王者になっているさ。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 プロでのデビュー戦も、最初に世界のベルトを巻いたファイトも、SHOWTIMEが放送してくれた。今回もSHOWTIMEでのPPVで流れることが決まって、嬉しいよ。

 目の状態はいい。非常に内容のあるスパーリングをこなしている。半年もリングに上がれなかったが、この試合に向けて毎日激しいトレーニングを積んでいるんだ。このところ、かなり自分の動きが鋭いという自負がある。最近の2試合は2カ月くらいしかトレーニングできなかったが、今回は6カ月準備してきた。

 今の俺は強いぜ。これまで、減量で苦労したけれど、今回は栄養士の力を借りて非常に上手く運んでいる。楽しいキャンプを過ごせているんだ」

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 一方のウガスもスペイン語で話した。

 「今回の一戦を楽しみにしている。エロール・スペンス・ジュニア、彼のチーム、彼のトレーナーにも敬意を払う。来る4月16日は現在3名いる147パウンドのベストファイターのうちの2名が戦うんだ。ファン待望のファイトさ。そして、現在のボクシング界でベストである2人のトレーナー同士の戦いにもなる。

 6歳の頃からボクシングをやって来て、様々な挑戦をしてきた。マニー・パッキャオ戦では周到な準備をした。スペンスに対しても対策はバッチリだ。100%以上の自分をご覧に入れるよ。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 自分はこの試合を受けたというよりも、望んだ。何故ならベストファイターになろうとしているから。最大の挑戦を希望したのさ。運良く、ここまで上って来たんじゃない。やることをやって、今のポジションを掴んだんだ。

 俺が統一戦をどれだけ望んでいたか知っているかい? 4年だぜ。長い時間、希望していたよ。スペンスという世界のトップ選手と対戦するまでに、4年待った。ずっとハードに練習し、白星を重ねながらね。今回、勝った方が、ウエルター級のKINGとなる。見逃さないでくれよ」

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 個人的には、スペンスの左目が気掛かりだ。現WBC/IBF2冠王者は、どんな状態でリングに戻って来るのか。

 パッキャオを引退に追い込み、勢い付くウガスは、スペンスの左目を狙い続けるか。必見だ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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