無敗対決で圧勝し、WBAスーパーフェザー級タイトル挑戦権を手に入れたサウスポー
現地時間26日に行われたWBAスーパーフェザー級タイトル挑戦者決定戦は、思いのほかワンサイドの内容となった。
SHOWTIMEが力を入れて売り出してきた25歳のクリス・コルバートは、デビュー以来16連勝中(6KO)だったが、WBAフェザー級5位の対戦相手、ヘクター・ルイス・ガルシアを舐め切り、碌に対策も立てないままリングに上がった。
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20220227-00283683
ガルシアはWBAスーパーフェザー級王者、ロジャー・グティエレスへの挑戦が決まっていたが、チャンピオンの新型コロナウィルス感染により延期となる。コルバートは同1位の指名挑戦者として、一刻も早くタイトル挑戦を、と息巻いていた。
SHOWTIMEに気に入られ大舞台が用意されつつあったコルバートだが、これまでに旬の実力者との対戦は無い。
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210709-00246622
ヘクター・カマチョやナジーム・ハメドを模倣したスタイルで戦ってきたが、今回、ガルシアによって丸裸にされた。
第7ラウンド1分45秒、コルバートの右ボディに合わせたガルシアの左ショートフックが炸裂。コルバートは腰からキャンバスに沈む。コルバートにとって、プロデビュー以来初のダウンだった。
試合運び、パンチ力、リーチ、身長と、30歳の元ドミニカ代表五輪選手は25歳のコルバートを遥かに超越していた。
結局、119-108、118-109、118-109でガルシアが自身の戦績を15戦全勝10KOとした。
試合後、勝者は語った。
「今日、コーナーについてくれた全員、そして自分を指導してくれたイスマエル・サラス、ボブ・サントス、私のために働いてくれた全ての人に感謝します。3週間前にグティエレス戦が消えたとはいえ、トレーナーたちがこの試合に自信を持って臨めるようにコーチしてくれました。
9、10回は、かなり激しく攻め立てましたから、彼はもう足を使うことが出来なくなっていましたね。是非、次戦でグティエレスに挑戦したいです」
グラスゴーでの仕事(ロンドン、リオと2大会連続で五輪金メダリストとなったロベイシ・ラミレスのプロ10戦目)があったため、今回はガルシアのコーナーに付けなかったイスマエル・サラスだが、映像は目にしていた。試合の数時間後、感想を聞いた。
「コルバートは非常に速い選手。でも、ボディは弱いと見ていました。彼をコントロールするために、ボディへのワンツー、あるいは3つのジャブを放ち、その次にパワーパンチを打っていく作戦でした。
ダウンを奪ったあのカウンターは狙っていたものです。してやったりでしたね」
16勝(6KO)1敗となったコルバートも言った。
「皆を失望させて申し訳ない。言い訳はしない。今日は、ガルシアの方が自分よりも上手だった。今までの勝利と同じように、この敗北も受け入れるよ。再起を目指してやっていく。もし、許されるならリターンマッチを希望する」
ガルシアとサラスのコンビは次に何を見せるか。近い将来、WBAスーパーフェザー級タイトルマッチが実現することを祈る。