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間も無くゴング! 全勝同士のWBAスーパーフェザー級挑戦者決定戦

林壮一ノンフィクションライター
(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME 笑みを浮かべるコルバート

 WBAスーパーフェザー級タイトル挑戦者決定戦が、今夜ラスベガスで催される。

 SHOWTIMEが力を入れて売し中のクリス・コルバートは、デビュー以来16連勝(6KO)を飾り、既に指名挑戦権を手にしている。SHOWTIMEが敢えて「挑戦者決定戦」としたのは、コルバートの名をより多くのファンに記憶させるためだ。それだけに今夜はスッキリと勝利し、タイトル挑戦に繋げたい気持ちであろう。

 とはいえ、WBAフェザー級5位の対戦相手、ヘクター・ルイス・ガルシアも14戦全勝10KOのサウスポーで、元ドミニカ代表五輪選手だ。決して侮れない。

 前日計量をコルバートは128.75パウンド、ガルシアは129.5パウンドでパスした。

(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME
(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME

 試合直前、25歳のコルバートは言った。

 「(WBAスーパーフェザー級正規チャンプの)ロジャー・グティエレスとの試合が決まると思っていたんだが、実現しなかったのが残念だ。勝って、是非、次戦はグティエレスに挑みたい。

 ガルシアがオファーを受けてくれたことに感謝する。でも、手加減はしないぜ。目の前の障壁を、全て除去して前進しなければならないからな。彼は10回ノックアウト勝ちしているが、恐れちゃいない。パンチのある選手とも戦ってきたが、皆、俺にボコボコにされて負けているだろう。誰もが俺の実力を知っているさ。どんな展開になるか分からないが、今回もガルシアを倒しに行く。

 俺は天狗じゃないが、自分のスキルに自信を持っている。それなりのことをしているし、最高のコンディションに仕上げたからよ。簡単な相手とじゃなく、強い選手、ゲーリー・ラッセル・ジュニアのような名前のある王者とやって、自分の時代を築きたい。

(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME
(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME

 ガルシアは、俺のハンドスピードと怖さを味わうだろうよ。実は俺、ヤツについてあまり知らないんだ。2本の腕と足があることは分かっているがね。ただ、俺と試合をするくらいだから、それなりの実力者なんだろうな。

 14週間のトレーニングキャンプで、ハードに自分を追い込んだ。栄養士も雇って、厳格な食事制限で体重を落とした。そこがこれまでとは違うね。

 ガルシアがどんな出方をしてきても、対応出来る。ベルトのために戦う気は無い。カネと名声を手にしたいからリングに上がっているんだ。必ず勝って、富を手に入れたいよ」

(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME
(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME

 30歳のドミニカ人、ガルシアも述べた。

 「私のチームは片時も休むことなく、この試合に向けて懸命に働いてくれました。大一番ですが、不安材料はありません。何故なら周到に準備したからです。勝つための土台作りは完璧です。ファンが喜ぶファイトを御覧に入れますよ。

現在、グラスゴーに滞在中のサラス
現在、グラスゴーに滞在中のサラス写真:ロイター/アフロ

 クリスのファイトは目にして来ました。彼は、曲芸のような動きをしますね。ああいうスタイルなのでしょう。でも、私はイスマエル・サラスの指導の下、対策を練り抜いてきました。試合当日、サラスはUKにいるので私のコーナーにはつけませんが、自信はたっぷりあります。

 このような大きな舞台をずっと待ち望んできました。大いなる飛躍のチャンスです。ボクシング界に自分の名を売ることが出来ますよね。自分の能力を証明し、そのうえでリングを降りてみせますよ」

(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME
(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME

 コルバートは昨年7月3日以来、ガルシアは同12月18日以来のリングとなる。無敗対決に生き残るのは、どちらだろうか。間も無くゴングだ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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