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元統一ライトヘビー級王者がカムバック

林壮一ノンフィクションライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロシア人ファイター、セルゲイ・コバレフがバーナード・ホプキンスを判定で下し、自身が保持していたWBOライトヘビー級タイトル4度目の防衛に成功すると共に、WBA、IBFの同級チャンピオンの座に就いたのは2014年11月8日。

 アンドレ・ウォード、エレイデル・アルバレス、サウル・"カネロ"・アルバレスには敗れたものの、その後もトップファイターとしてキャリアを重ねてきた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 2019年11月2日にカネロ・アルバレスにKO負けしてWBOライトヘビー級王座を失ってからブランクを作っていたが、この程、185パウンドのキャッチウエイトでカムバックするとESPNが報じた。

 3月12日、場所はロスアンジェルス。クルーザー級転向へのテストマッチでもあるそうだ。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 現在38歳のコバレフは2020年4月に再起する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でカムバック戦が流れる。翌2021年の1月にも試合が組まれたが、コバレフによる禁止薬物、テストステロンの使用が明るみに出て再度キャンセルに。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 今回の対戦相手に決まりかけているのは、17戦全勝10KOのサウスポー、メン・ファンロン。中国人ファイターだ。

 ファンロンも2020年3月に、WBC/IBFライトヘビー級王者のアルツール・ベテルビエフに挑むことになっていたが、コロナ禍で白紙となった経緯がある。

 IBFの指名挑戦権を持ち、WBC、WBOでも8位にランクされる33歳のファンロンは、世界前哨戦として同じロシア人であるコバレフを踏み台としたいところ。コバレフにとって、かなり危険な対戦相手と言っていい。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 2年4カ月という長い休養期間は、34勝(29KO)4敗1分けのコバレフにいかなる影響を及ぼすのか。本人は、カネロ・アルバレスへのリベンジを熱望しているそうだが、辿り着くことは出来るか……。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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