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5戦全勝5KOのスーパーウエルター級サウスポー

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Kate Frese/HBSE

 ハバナ生まれのキューバ人、ヨエルビス・ゴメスがプロ5戦目にして初めて米国のリングに上がった。

 対戦相手は9勝(4KO)5敗3分けの28歳、クレイ・コラード。2020年12月12日のファイトより3連敗中のコラードは、「安牌」と呼べた。

Photo:Kate Frese/HBSE
Photo:Kate Frese/HBSE

 サウスポーのゴメスは、試合開始直後から気迫でコラードを上回る。1分3秒に右フックでコラードをよろめかせると、左ストレート、左アッパーの連打で仕留めに掛かる。

 1分25秒、コーナーに詰め、右フックをクリーンヒットしてダウンを奪った。

 起き上がり、試合続行したコラードだったが、右フック、左ストレート、左アッパー、左フックと畳みかけられたところでレフェリーが試合を止めた。

 初回、2分11秒でケリがついた。

Photo:Kate Frese/HBSE
Photo:Kate Frese/HBSE

 試合後、ゴメスは語った。

 「多くの人が、『コラードはいい選手を倒しているタフな男だ』と話していた。そういう相手と戦うのだから、精神面も完璧に仕上げてKOしてやろうと考えた。冷静に、巧みに戦いたかった。彼は私のハンドスピードとパワーに付いてこられなかったね」

 5試合のうち、4度のファーストラウンドKO勝ちを収めているゴメス。今回は、荒々しいファイトで格下を一気に下した。ゴメスはキューバ人コミュニティーから新世代のスター候補として期待されている。本人も、それを自覚し、国旗をデザインしたトランクスで登場した。

 現在はラスベガスに住み、腕を磨く24歳のゴメス。どのように成長していくだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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