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12/11、ドネアとカシメロがそれぞれのリングに上がる。井上尚弥と統一戦で絡むのは一体誰か?

林壮一ノンフィクションライター
撮影:山口裕朗

 WBCバンタム級チャンピオンのノニト・ドネア(39)が、同タイトル暫定王者のレイマート・ガバリョ(25)を相手にしたファイトが12月11日に催される。 41勝(27KO)6敗のドネアに対し、ガバリョは24戦全勝20KO。

 日本人ファンの多くは、井上尚弥vs.ノニト・ドネアのリターンマッチ、及び統一戦を希望しているため、ここでドネアに躓いてもらっては困る、といった心境であろう。

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 ドネアもガバリョも共に、フィリピン人である。11歳でアメリカに渡ったドネアと、現在も祖国で暮らすガバリョ、そしてWBO同級王者のジョンリル・カシメロも同胞だ。

 井上尚弥との統一戦の相手は誰になるのか? 井上は主要4タイトルのバンタム級タイトル統一を目指してるので、いずれはフィリピン人選手と戦うことになりそうだ。

 そこで、まず、フィリピン人ジャーナリストのテディ・レイノソにコメントを求めた。

 「11日の試合を楽しみにしているフィリピン国民は多い。でも、当然のことながら、このファイトの勝者とWBOチャンプ、カシメロとの統一戦への期待値の方が高いね。フィリピン国内では、ドネアの人気がガバリョを大きく上回っている。ドネア勝利を予想する声が圧倒的だ。キャリアが違うしね。私自身もドネアが後半にKOするか、あるいは判定で勝利すると見ているよ。

 また、同日、デュバイでカシメロもポール・バトラーを相手に防衛戦をやる。我が国民が望んでいるのはドネアvs.カシメロだ。我が国のバンタム級選手なら、10月30日に、プエルトリカンのカルロス・カラバーロに判定勝ちしたジョナス・サルタンも評価を上げている。ゆくゆくはタイトルに絡むようになるんじゃないかな。

 カシメロがバトラーに勝てば、カシメロかドネアが4月か5月に井上尚弥とやるんじゃないかな。そんな気がするね。

 井上尚弥は統一バンタム級チャンピオンになったら、122パウンドに上げるのかな? もしそうなら、ウズベキスタンのムロジョン・アフマダリエフ戦が決まると面白いね。WBAスーパー/IBF統一王者だし、日本の岩佐亮佑も下しているからね。私はその試合にとても興味があるよ」

 レイノソは、ドネアvsカシメロ戦の勝者は? という質問についての明言は避けた。

Photo:Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
Photo:Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

 テキサス州ダラス在住のフィリピン人フォトグラファー、ミカエル・オナにも質問してみた。

 「ガバリョが頑張るだろうから、11日はいい試合になると思います。でも、ドネアの経験とパワーが優るでしょうね。判定かKOかは何とも言えませんが、勝者となるのはドネアでしょう。

 井上尚弥には僕も注目しています。11日の試合はカシメロも防衛するでしょうから、2022年4月に井上とカシメロの統一戦が実現することを僕は祈っています。まず、井上vs.カシメロ戦が見たいですね」

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 今後、バンタム級の4本のベルトはどのように動くか。2022年はこの階級のビッグマッチが続きそうだ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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