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間も無くゴング! 元WBCスーパーミドル級チャンプがリングに上がる

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Stephanie Trapp/SHOWTIME

 先週、スーパーミドル級主要4団体統一チャンピオンが誕生したばかりだが、今日は元WBC王者のデビッド・ベナビデスがリングに登場する。当初、ベナビデスは元IBF王者のホセ・ウスカテギと対戦する予定だったが、ウスカテギの禁止薬物使用が判明。急遽、16勝(6KO)2敗1分けのケイロン・デイビスを相手にすることとなった。

Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 サウル・”カネロ”・アルバレスvs.ケイラブ・プラント戦よりは地味なイベントだが、SHOWTIMEが放送するため、勝者にはビッグマッチへの道が拓けそうだ。

 先日計量では、ベナビデスが169パウンド、デイビスが167.45パウンドでパス。ゴングまで残すところ半日となった。

Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 試合2日前の最終記者会見で、ベナビデスは語った。

 「俺は最高のトレーニングキャンプをこなした。今回のファイトに出場するケイロン・デイビスに脱帽だ。直前のオファーを承諾してくれたのだから。デイビスがファイトを受けてくれたからこそ、キャンセルとならずに済んだ。色んなスタイルのパートナーと沢山のスパーをこなしていたから、試合が実現されることが本当に嬉しい」

Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 「ファンも望んでいるし、KO勝ちを飾りたいね。この2戦ほど無観客試合だったが、地元ファンの前で戦うことが待ち遠しいよ。

 一度でも俺のプレッシャーを感じたら、過去にないタイプのパワー、コンビネーション、スピードだと認識するだろう。そういう相手のリアクションを見るのが楽しいんだ」

Photo:Stephanie Trapp/SHOWTIME
Photo:Stephanie Trapp/SHOWTIME

 「今はカネロのことなんか考えちゃいない。ケイロン・デイビスで頭はいっぱいだ。いいファイトをお見せして、ファンに幸せを届けたい。この試合に向けハードなトレーニングをこなしたし、世界タイトルマッチに繋げたい。

 ケイロン・デイビスだけでなく、どんな相手もノックアウトするつもりで試合している。<戦い>を見せるから、期待してほしい。

 前回、このフィニックスで試合した時は、兄貴の前座だった。今回は俺がメインだ。幼い頃、故郷で最も長い時間過ごしたのは、セントラル・ボクシングジムだった。そんな地でリングに上がるんだ。素晴らしいファイトにしてみせるよ」

Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 デイビスも言った。

 「時々、自分は踏み石扱いされることがある。が、今回の試合はヤツのものではなく、俺の夜となるさ。

 ボクシングを欺き、尊敬しない人間もいる。でも、リングに上がることが自分の義務。世界レベルの試合だし、やるからには勝ってみせる。終わりよければ全て良し、だ。彼のKO勝ちは格好いいよね。でも、KOされるヤツがいるからこその結果だ。ヤツはいい試合をしたいだろうが、こちらも勝たねばならないんだ」

Photo:Stephanie Trapp/SHOWTIME
Photo:Stephanie Trapp/SHOWTIME

 「俺はいつだって試合をやれるぜ。プロモーターが電話してきた際も2つ返事でOKした。ファイトが直前に決まったことだって、過去に何度かあった。こうやって、自分の名が大きく扱われているんだから、光栄だ。このレベルでやれることを示したい。

 俺は賢いから、相手によってスタイルを変化できる。今回もそうするよ。素晴らしい試合にすることを約束するし、そのうえで、俺が勝者となるぜ」

Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 開催地は元WBCスーパーミドル級チャンピオンの地元、アリゾナ州フィニックス。24戦全勝21KOのベナビデスが"元"王者となってしまったのは、体重オーバーでベルトを失ったからだ。計量時の体を見る限り、脇腹の脂肪を絞り切れていない。

 さて、どんなファイトが展開されるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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