Yahoo!ニュース

19戦全勝13KOのキューバ人ヘビー級

林壮一ノンフィクションライター
(C)Frank Micelotta / FOX Sports

 18戦全勝13KOで、WBC11位、WBO5位のキューバ人フランク・サンチェス(29)と、15戦全勝12KOでWBC8位、WBO10位のナイジェリア人、エフェ・アジェグバ(27)の潰し合いは、今後のヘビー級戦線を占う意味で注目された一戦であった。

(C)Frank Micelotta / FOX Sports
(C)Frank Micelotta / FOX Sports

 アマチュア時代にキューバ王者となり、米国に活躍の場を求めた193センチのサンチェスに対し、リオ五輪ナイジェリア代表のアジェグバは198センチ。序盤のジャブの刺し合いは、互角だった。

 が、パンチ力で優るサンチェスは、スイッチしながらフルスイングを繰り返し、徐々にペースを握っていく。接近戦となっても、ショートアッパーに巧さを見せた。

(C)Frank Micelotta / FOX Sports
(C)Frank Micelotta / FOX Sports

 第7ラウンド、サンチェスの右、そして左アッパーがアジェグバを捕らえ、元オリンピアンがダウン。

(C)Frank Micelotta / FOX Sports
(C)Frank Micelotta / FOX Sports

 その後、アジェグバは流れを変えられずに98-91、98-91、97-92のスコアで初黒星を喫した。

 サバイバルを制したサンチェスは、確かにパンチがある。しかし、直ぐにベルトを巻けるかと問われれば疑問符が付けられる。ボクサーとして成功することを夢見て祖国を離れ、海を渡った男であるだけに奮起を期待したい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事