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「息ができない!」状態で逮捕されたペリカンズのセンター

林壮一ノンフィクションライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2019年のNBAドラフトにおいて、全体8位でアトランタ・ホークスにコールされ、直後にニューオーリンズ・ペリカンズにトレードされたジャクソン・ヘイズ(21)。

 身長211センチ、体重100キログラムのセンターは、2シーズンを終えて124試合に出場している。そのうち、スターティングとしては17ゲームでコートに立った。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 そのヘイズが、7月28日未明にカリフォルニア州ロスアンジェルスで逮捕された。ヘイズの恋人が「大声で喚き散らし、暴力を振るう」ペリカンズのセンターから身を守ろうと、同日午前3時頃にロスアンジェルス警察(LAPD)に通報し、警官が踏み込んだのだ。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 逮捕の折、警官の一人はヘイズの首に膝乗りになっていた。ペリカンズの背番号10が何度も「息ができない!」と喘いでいたことが、数日前に明らかになった。映像がYouTubeで流れ始め、ジョージ・フロイド事件の再来だと話題になっている。警官がスタンガンを使用したとの説もある。

 ヘイズが命を落とした訳ではないが、確かにジョージ・フロイドが2020年5月25日に白人の警官、デレック・チョーヴィンに殺害された光景と良く似ている。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 過去2シーズンで、1試合平均 16.5 分に出場し、7.4得点、 4.2リバウンドを記録したヘイズは今後、どんな道を歩むのか。本件について、LAPDがいかなる追加調査を行うのか。改めてアメリカ社会の闇を見た。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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