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パッキャオvs.ウガス戦の前座に組まれた元世界チャンプ同士のファイト

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Scott Kirkland/FOX Sports

 IBFフェザー級、IBFスーパーフェザー級、WBA/WBO暫定ライト級、WBC暫定ウエルター級タイトルを獲得したロバート・ゲレーロ(38)と、元WBCウエルター級王者のビクター・オルティス(34)のファイトが、パッキャオvs.ウガスの前座に組まれた。

 サウスポー同士のベテラン対決を前に、両者は現地時間19日に行われた記者会見に出席。かつて世界タイトルを得た者らしい、落ち着き払った姿を見せた。

Photo:Scott Kirkland/FOX Sports
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 36勝(20KO)6敗1分けのゲレーロは語った。

 「30歳の頃に戻ったような気持ちです。非常にいい状態ですよ。23カ月ぶりの試合ですが、これ以上の幸せは感じられないくらい、心身共に疲れを癒すことができました。

 キャンプは充実したものになりました。コロナの影響で活動を許されなかった1年半の間も、コンディションを落とさないようにしていました。私は自宅にジムを持っていますから、そこで動いていたんです。

 パッキャオの最後となるであろう一戦のアンダーカードに出られるなんて、光栄です。完璧に仕上げてリングに上がりますよ。ビクター・オルティスに対戦を持ちかけられた時、私は『やろう』『是非、戦おう!』と答えたんです。彼を尊敬していますし、ファンにとっても心が躍る試合でしょうから。

Photo:Scott Kirkland/FOX Sports
Photo:Scott Kirkland/FOX Sports

 間違いなく、いい試合になりますよ。オルティスもしっかりトレーニングし、ベストコンディションで私の前に立つでしょう。そして、前に出てくる筈です。私も前進しますよ。

 私の目標は、現時点でベストとされる選手、チャンピオンと戦うことです。そのうちの一人であるオルティスとの試合が、楽しみで仕方ありません。自分の仕事をやり遂げてみせます。過去に、未来を見過ぎて対戦相手に集中しなかったこともありますが、今回は違います。

 離れて戦おうが、接近戦となろうが、メインイベントを喰うくらいの、素晴らしいファイトにしてみせます」

Photo:Scott Kirkland/FOX Sports
Photo:Scott Kirkland/FOX Sports

 一方、32勝(25KO)6敗3分けのビクター・オルティスも言った。

 「今、ここで何かを語る気はない。ただ、この機会を与えてくれた方々に感謝する。また、自分を支えてくれるチーム無しで俺は何も果たせなかった。コーチであるフレディ・ローチ、マービン、ペペ、マリアにもお礼を言いたい。

 今日の俺の人生において、最大のモチベーションは2人の息子だ。彼らの為にも、勝利無しでリングを降りられない。17歳でプロになり、数々のビッグマッチを戦ってきた。経験を積み、今やベテランとなった。

 今回は、もう一人の伝説的王者と喜びを分かち合う。そういう選手とリングで戦えることが幸せだし、ボクシングならではの心地良さだ。

Photo:Scott Kirkland/FOX Sports
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 ロバート・ゲレーロが周到な準備をせずにリングインすることなどあり得ない。最高のコンディションで俺の前に立つだろう。それでこそ、俺が敬うゲレーロだ。ゲレーロだけでなく、彼のチームにも敬意を表するよ。

 俺と同じサウスポーであるゲレーロは、相当なプレッシャーをかけてくるだろう。でも、キャンプでその対策はしてきた。子供たちに約束したんだ。自分の時代を築く。その為に俺はリングに戻ってきた」

Photo:Scott Kirkland/FOX Sports
Photo:Scott Kirkland/FOX Sports

 PACMANのラストマッチとなるかもしれない興行で、前座を務める2人の元チャンピオンは、何を見せるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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