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SHOWTIMEからチャンスを得た11戦無敗2分けのフェザー級サウスポー

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

  SHOWTIMEが先日、8回戦の無敗対決を放送した。共に10勝2引き分けという選手をぶつけ、勝った方に更なるチャンスを与えるという演出だ。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME アラム・アヴァギャン(右)は10勝(4KO)1敗2分けに
Photo:Esther Lin/SHOWTIME アラム・アヴァギャン(右)は10勝(4KO)1敗2分けに

 ペンシルバニア州出身の24歳サウスポーであるマルティノ・ジュレスが、最終ラウンド残り45秒でアラム・アヴァギャン(30)の顎にカウンターの左ショートをヒット。アヴァギャンの腰が落ちたシーンを目にしたレフェリーは、ダウンと判断した。

 79-72、77-74、78-73のスコアで判定勝ちを飾ったジュレスの戦績は、11勝(2KO)無敗2分けとなった。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 試合後、勝者は言った。

 「アヴァギャンは何度も右を振るって来たね。僕はコーナーの指示を聞きながら、左ストレートで仕留める作戦だった」

 ジュレスは295のパワーパンチを出し、85を当てた。アヴァギャンのそれは、316分の122だっただけに、敗者も闘志では負けていなかった。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 「最終ラウンドのダウンが、勝利を明確にしてくれた」というジュレスの言葉が、苦戦を物語っていた。

 スコア以上の接戦であった。アルメニア人であるアヴァギャンが、アメリカのボクシング界でスターとなることは難しい。そんな現実を突きつけられる一戦でもあった。

 とはいえ、個人的には異国の地で夢を追う姿に共感を覚える。アヴァギャンの挑戦が彼の人生を切り拓くことを願う。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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