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WBCスーパーウエルター級挑戦者決定戦

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME

 WBCスーパーウエルター級1位のエリクソン・ルビンが、元WBA/IBF同級王者で同3位のジェイソン・ロサリオを6ラウンド1分42秒でKOして、挑戦者決定戦に勝利した。

 両者共に、WBA/WBC/IBFスーパーウエルター級チャンピオンであるジャーメル・チャーロに敗れており、再戦を目指すサバイバルマッチであった。

 ルビンは2017年10月14日にファーストラウンドでジャーメル・チャーロに屠られた。一方のロサリオは、2020年9月26日に統一戦としてチャーロと対峙し、8回KO負けを喫して以来の再起戦としてリングに上がった。

ルビンの戦績は23勝(17KO)1敗となった Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME
ルビンの戦績は23勝(17KO)1敗となった Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME

 初回から両者は前進した。サウスポー、ルビンのパンチの方が正確に相手を捉える。ラウンドを重ねるごとに、その差は開いていった。3回、ルビンの左ロングアッパーを顎に喰らったロサリオは大きくバランスを崩す。同ラウンド終盤にも右フックを浴び、足元がふらつく。

元2冠王者のロサリオは、20勝(14KO)3敗1分けに   Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME
元2冠王者のロサリオは、20勝(14KO)3敗1分けに Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME

 以降、ロサリオはダメージが抜けきらず、パンチを出すものの、腰が入らない。あるいは、チャーロ戦で痛めた体が回復しなかったのかもしれない。

 第6ラウンド1分3秒、ボディーへの左ストレート、右フック、そしてフォローのジャブをヒットされたロサリオがキャンバスに沈む。起き上がり、試合続行した元王者だったが、ロープに詰まり自ら膝を折って敗者となった。

Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME
Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME

 勝者、チャーロによる敗戦後、6連勝を飾ったルビンは言った。

 「作戦通りに戦えた。『とにかくジャブを休みなく打ち続けろ』というコーナーの指示を守った。スピードは自分の方が上だが、ロサリオはパンチがあるし、カウンターを狙っていたので警戒した。顔面へのジャブを忘れずに放った。

 また、初回からボディブローを効かせたね。離れてジャブ、くっついてボディ攻撃がハマったな」

Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME
Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME

 「次は世界戦をやりたい。スーパーウエルター級の誰とでも戦う。必ず世界タイトルを手にしてみせる」

 快勝の後だけに、ルビンは饒舌だった。

 米国中部時間7月17日は、ルビンが雪辱を果たしたい相手、WBA/WBC/IBFスーパーウエルター級チャンピオンのジャーメル・チャーロが、WBO王者であるブライアン・カルロス・カスターノ(アルゼンチン)との統一戦を迎える。今後、ルビンはどのように統一王者と絡んでいくか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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