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アルゼンチン人コーチが語る「メッシ、気合十分。引き分けスタートだが、コパアメリカは期待できる!」

林壮一ノンフィクションライター
(写真:ロイター/アフロ)

 実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、チェンマイ・ユナイテッド所属のエスクデロ競飛王。

 自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。

 一昨年の末から、川越市のフットサル場で自らスクールを始め、今日、埼玉県のジュニアユース、トリコロールFCのコーチとして指揮を執る彼が、コパ・アメリカ第一戦で、チリと引き分けた祖国について語った。

撮影:著者
撮影:著者

 「アルゼンチンは、ワールドカップは1986年から、コパ・アメリカは1993年から勝てていないんです。長く代表チームの柱であるメッシも来週で34歳になりますから、ナショナルチームでタイトルを獲得したいと、気合いが入っています。

 ワールドカップ予選を見ても、現在の南米で最強なのはブラジル、次が我がアルゼンチン、そしてチリの順ですね。3番目の実力者であるチリと開幕で当たり、ワクワクしながら見ていました」

写真:ロイター/アフロ

 「33分にメッシが直接FKを決めて先制。彼のコンディションは、かなり良さそうです。今、アルゼンチン代表は世代交代の時期。コパ・アメリカでは若い選手が沢山選ばれました。だから勢いにのればブラジルに勝って優勝できるんじゃないかと思っています」

写真:ロイター/アフロ

 「57分にPKを与えてしまい、GKのエミリアーノ・マルティネスがビダルのシュートを弾いたのに、エドゥアルド・バルガスにヘッドで決められてしまいました。その後は、チャンスに決め切れなかった。

 ロドリゴ・デ・パウルが左サイドでフリーになって、『シュートだ!』という場面で、中にグラウンダーのボールを送ってしまったシーンは、ピッチ内にいたメッシも他の選手も、アルゼンチンのメディアも『なぜ打たないんだ!』と叫びました。そんな調子で1-1で終わってしまったことは残念でしたね」

写真:ロイター/アフロ

 「我が国のサッカージャーナリズムが辛口な事はご存知でしょう。でも、今回は『内容が良かった』『リオネル・スカローニ監督はいい』『これなら期待できる』といった論調です。

 ディ・マリア、アグエロといったベテランのFWをスタメンから外して、若手を起用している点も評価されています。彼らはスター選手ですが、もう代表の先発は厳しい。流れを変えるスーパーサブとして、15分くらいプレー時間を与えられるでしょう」

写真:ロイター/アフロ

 「ベネズエラに3-0で完勝したブラジルに比べれば、1-1で引き分けたアルゼンチンはパッとしないように映るでしょう。でも、メッシと若手が融合すれば、大きな可能性を秘めたチームですよ。

 開幕にピークを持ってきた訳じゃありませんし、これからどんどん良くなっていきますよ。スカローニ監督は、決勝でブラジルを攻略するべくチームを作り上げるでしょう。

アルゼンチンならではの、後ろから繋ぐサッカーができていますから、僕も期待して見詰めています」

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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