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WBCミドル級チャンピオン、ジャーモール・チャーロが6月19日に防衛戦

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Esther Lin/Showtime

 WBCミドル級チャンピオン、ジャーモール・チャーロ(30)がフアン・マシアス・モンティエル(27)を迎え、5度目の防衛戦を行う。6月19日、場所はNBA、ヒューストン・ロケッツのホームアリーナであるトヨタ・センター。13日よりチケットが売り出された。

Photo: Andrew Hemingway/SHOWTIME
Photo: Andrew Hemingway/SHOWTIME

 31戦全勝(22KO)のチャーロ兄が故郷、ヒューストンのリングに上がるのは2019年6月以来だ。

 現地時間5月18日に行われた記者会見で、ジャーモール・チャーロは言った。

 「ヒューストンのファンの前で戦えるのは、実に嬉しい。俺の防衛戦をSHOWTIMEが放送してくれることにも感謝したい。

 モンティエルは若く、タフで、パンチもある。王座を狙いにきているのが分かるよ。でも、俺の方が飢えた状態にある。何と言っても地元の人へ喜びを届けたいからね。特別であり、感情を爆発させる日となるだろう」

Photo:Esther Lin/Showtime
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 「6月19日は、俺と(トレーナーの)ロニー・シールズにとって、花火を上げパレードを催しての祝福となるだろう。そのためのハードなトレーニングをこなしているところだ。もっとも俺は、モンティエルの存在を知る前から、激しい練習を重ねているけれどな。

 何年もやって来た努力の成果を、故郷の皆さんにお見せしたいね。ファンの方々にとっては、最高の喜びを得る日になるさ。トヨタ・センターで喜びを分かち合おうぜ。間違いなく、素晴らしいファイトとなる。

 モンティエルは怖いもの知らずだ。世界タイトル挑戦に値するファイターだと思う。だからこそ、ビッグマッチになる。多くの人はモンティエルのことを知らないようだが、強い選手だ。まぁ、勝つのは俺だがね」

Photo: Andrew Hemingway/SHOWTIME
Photo: Andrew Hemingway/SHOWTIME

 「俺は世界一の男だ。モンティエルに負ける要素は無い。だから、俺のベルトが移動することも無い。誰にも渡さず、ヒューストンに留まる。このタイトルは、俺の功績そのものなんだ。6月19日は、それを感じてほしい。

 カネロ・アルバレスやGGG、デメトリアス・アンドラーデ(WBOミドル級王者)との統一戦も大いに可能性がある。俺はまだ若いし、焦らず、楽しみながらキャリアを重ねていく。もしGGGがWBCのベルトを狙うなら、是非、戦いたいね」

Photo:Esther Lin/Showtime
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 22戦4敗2分けのモンティエルは、白星の全てをKOで飾っている。昨年末にジェームス・カークランドを初回でノックアウトした光景が記憶に新しい。

 挑戦者も強気に話した。

 「4歳の頃から、このような大舞台を夢見てきました。人生最大のチャンスですから、自分を信じて、全てを懸けて戦います。自分がミドル級で最強だという事を証明しますよ。

 チャーロは素晴らしいチャンピオンですが、私のようなハードヒッターとは拳を交えたことは無いですよね。これまでの敗戦は、過去のこと。当時はワンパンチでKOしようと思っていましたが、あの頃よりも格段に成長しました。違った私を見せます。6月19日に世界王者となる為に、ハードなトレーニングをこなしているところです。出来る限りの準備をして、ゴングを迎えます。

Photo:Esther Lin/Showtime
Photo:Esther Lin/Showtime

 「会場は敵地となりますが、私に選択肢はありません。今は、どんな条件でも受け入れる立場ですから。ファンの前で戦えることに、幸せを感じますね。特にプレッシャーはありません。私自身が感じているラテンの誇りや、周囲の声援がモチベーションを上げてくれます。世界チャンプになるという夢に向かっているのですから、どこでだって戦いますよ。月でファイトをしろと言われれば、月にだって行きます」

 見応えのある試合になりそうだ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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