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総得点でNBAトップ10入りを果たした大ベテラン

林壮一ノンフィクションライター
NBAでの通算得点を27318としたアンソニー(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 現地時間5月3日、ポートランド・トレイルブレイザーズはアトランタ・ホークスに 114-123で敗れた。

 ブレイザーズは4月18日から25日までに5連敗を喫した後、ディフェンスを見直し、各々がハードワークをこなすことで2日までに4連勝。その勢いをアトランタでも維持するかに見えた。

 が、AWAY連戦の疲れが出たのか、シュートが決まらない。ティップオフから2分22秒間で4本のシュートを放つも、ことごとく失敗。

 終わってみればシュート数95にして、成功は43。一方のホークスは、84分の44を決めた。3ポイントにいたっては、ブレイザーズが41分の17、ホークスが41分の20。

 更に明暗を分けたのがリバウンドで、ブレイザーズの39に対してホークスは49という数字であった。エースのデイミアン・リラードは、両チーム通じて最多の33得点と気を吐いたが、総合力で及ばなかった。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 また、ホークスはシューティングガードのボグダン・ボグダノヴィッチとベンチスタートのダニーロ・ガリナリが、7本ずつの3ポイントを決め、リズムを生んだ。一方のブレイザーズは、3ポインターとなった筈のアンファニー・シモンズが、5分の0と精彩を欠いた。

10本の3P中、7本を成功させたガリナリがアンソニーと対峙
10本の3P中、7本を成功させたガリナリがアンソニーと対峙写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 そんななかで、ブレーザーズの大ベテラン、カーメロ・アンソニーが総得点を27318とし、NBA史上10位にランクされた。

 この日のアンソニーは、22分6秒の出場。NBAで18年目となる今季は、スターティングではなく、シックスマンとしてチームを支える。11本のシュートを放ち、3本の3ポイントを含む5ゴールを挙げ、14得点した。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 記録を樹立したアンソニーは、試合後のZoom会見で白い歯を見せながら語った。

 「15位、13位、11位と特に何も感じなかった。また明日もゲームだな……次の試合の準備をしなきゃって感じでね。でも、10位っていうのは大きいし、今までとは違う。達成した瞬間、特別な感情を持ったよ。俺は今もゲームを楽しんでいるし、心からバスケを愛しているんだ。

 18年、ブレずにやって来た結果だと思っている。いい日もあれば、悪い日もある。毎日、やるべきことをやる。その積み重ねが大事だよね」

 今回のホークス戦はアンソニーにとっても、ブレイザーズにとっても決していい日ではなかった。が、次に向けて努力を続けていくーーー。殿堂入り確実とされる名選手の言葉は、流石に重みがあった。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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