エースを欠きながら、価値ある1点差の勝利

75-81でブレイザーズはビハインドを負っていた。小競り合いから一触即発に(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 第3Q、残り2分41秒だった。スコアは75-81で劣勢に立たされている。

 ルーズボールをキャッチしたポートランド・トレイルブレイザーズのセンター、エネス・カンターと、彼の背後から右手を伸ばしたサンアントニオ・スパーズの背番号10、デマー・デローザンが小競り合いを起こす。一色触発となった両者の間に各々のチームメイトが割って入って事なきを得る。

 中継していたアナウンサーが「NBAはファイティングリーグではない!」と吐き捨てるほどのシーンであった。

 しかし、この局面で、ブレイザーズの結束力が見えた。

 現地時間4月16日、サンアントニオに乗り込んだブレイザーズは、スパーズを相手にリードを許していた。ブレイザーズは、大エースであるデイミアン・リラードが右の脹脛を痛めて欠場を余儀なくされていた。

カンターは10得点13リバウンド
カンターは10得点13リバウンド写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ブレイザーズはエースの穴を埋めるべく、一人一人が奮闘した。が、1Q終了時に28-31、ハーフタイム時で48-57とリードを許してしまう。最大で16ポイントの差をつけられた。

 徐々に追い上げを見せていた最中、デローザンに対するカンターの怒りが、ブレイザーズを勢い付ける。

NBA王者となった経験が生きる
NBA王者となった経験が生きる写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 2019年にトロント・ラプターズの一員としてNBAチャンピオンとなり、今シーズンの 3月25日からブレイザーズのユニフォームに身を包むノーマン・パウエルは、チーム最長である38分17秒コートに立ち、22得点。

 パウエルは移籍後すぐにチームに溶け込み、スモールフォワードとして、安定したプレーを見せる。この日も17本のシュートを放ち、8本を決めた。

リラードと阿吽の呼吸を見せるマッカラム
リラードと阿吽の呼吸を見せるマッカラム写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 シューティングガードのCJ・マッカラムは、37分37秒プレーし、29得点。26本中13のシュートを成功させた。

ダンクコンテスト優勝者のシモンズは、3ポイントも得意とする
ダンクコンテスト優勝者のシモンズは、3ポイントも得意とする写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 今季のダンクコンテスト優勝者であるアンファニー・シモンズも、29分53秒の出場で16得点。10本シュートを打ち、3ポイント4本を含む5ゴールを挙げた。

 リラードと比較すると、他の選手が小粒である感は拭えない。だが、エースがいないからこその、底力を発揮したブレイザーズは、107-106でスパーズを振り切った。

 3日前に1点差でボストン・セルティックスに敗れただけに、この勝利は大きい。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210416-00232768/

 試合後、ブレイザーズのテリー・ストッツ監督は語った。

 「リラード無しで勝利したことが非常に重要だ。試合の終わらせ方を見出した点が次に繋がる。このゲームは我々に、多くのポジティブなモノを齎した。順位を上げるべく、残りの試合に向かうよ」

テリー・ストッツ監督
テリー・ストッツ監督写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ブレイザーズは現在、西地区で6位。今日は敵地でシャーロット・ホーネッツ戦が予定されている。リーグ終盤、今回の白星がいかなる効果を生んでいくか。