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WBA正規ミドル級タイトル決定戦

林壮一ノンフィクションライター
2016年5月21日、バーネス・マーティロスヤン戦のララ  写真:AP/アフロ

 2021年初頭に村田諒太がWBAスーパー王者に昇格したことで、空位となった同正規タイトルの決定戦が、5月1日に行われる。

 アマチュア世界選手権優勝者の肩書を引っ提げて祖国キューバから亡命し、WBAスーパーウエルター級正規王座に就くエリスランディ・ララ(37)と、トーマス・ラマンア(29)の対戦だ。

 同ファイトを手掛けるTGB Promotionsのトム・ブラウン社長はFOXでの放映を決めた。ブラウンは話す。

 「長きにわたって154パウンド(スーパーウエルター級)のエリートとしてプロ生活を送って来たララによる、新たな挑戦だ。今回の相手は若く、手足が長い。タフなファイトとなるだろう」。

 27勝 (15KO)3敗3分けのララは、確かにスーパーウエルター級の第一人者であった。しかし2018年4月7日、IBF王者、ジャレット・ハードとの統一戦に敗れ、WBAスーパータイトル8度目の防衛に失敗。その後、同正規タイトルを獲得し、トップ戦線に踏み止まった。

 5月1日は、ミドル級での初試合となる。現在、ラスベガスでキャンプ中のララは言う。

 「2021年初のファイトで、FOXで生中継されるのだから嬉しくて仕方ない。対戦するトーマス・ラマンアは、背の高いミドル級で、経験も豊富だ。いつものことだが、心して掛かるよ。既にキャンプをスタートして1週間だが、トレーナーのイスマエル・ サラスが、早速、基礎メニューを作ってくれた。接近戦での腕の動きなど、KOに結び付くように学習しているところだ」

 30勝(12KO)4敗1分けのトーマス・ラマンアも話す。

 「やっと、長年の夢だった世界タイトル戦の舞台に上がれます。自分の心も血も魂も、全てをこの一戦に注ぎます。そして勝利してチャンピオンになってみせます。5月1日は、僕の時間となるでしょう」

 さて、どんなファイトが見られるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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