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間も無くゴング! 3階級制覇の世界チャンプ中谷潤人の同僚、日本スーパーフェザー級4位、神足茂利

林壮一ノンフィクションライター
撮影:筆者

 日本スーパーフェザー級4位の神足茂利が、明日、後楽園ホールのリングに上がる。8戦6勝(5KO)1敗1分けの神足がメインイベンターを務めるのは、2度目のことだ。対戦相手は日本ライト級2位の浦川大将。

 一つ重いクラスの選手を相手にするため、神足は吉野修一郎、三代大訓、仲里周磨といった日本ライト級のトップファイターたちとスパーリングを重ねた。

撮影:筆者
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 「この1試合のみのライト級で、またスーパーフェザーに戻すつもりですが、階級を上げて相手が大きく感じるでしょうから、そこら辺を意識しながら、練習してきました。

 浦川選手はガッチリ構えて、固い、そして好戦的なボクシングをする印象です。だから、僕はそこを崩すつもりです。とにかく、もらわないスタイルを心掛けて、自分のボクシングをやります」

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 吉野修一郎とのスパーで、神足は何度か接近戦での打ち合いを見せた。

 「国内のライト級で敵無しの吉野選手を相手に、一歩も引かずに打ち合うようなハートも大事ですよね。打ち合いのなかで、気持ちで負けなかった点はプラスになったと感じています。でも試合では、そういうメンタルだけでは良くないので、距離をとった自分のスタイルを貫き、ショートレンジでパンチを交換し合う局面が出てきたら、負けずに打ち勝つようにもっていきます」

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 神足は吉野とスパーリングするために、片道1時間半以上かけて三迫ジムに通った。同行するトレーナーはおらず、一人で出稽古のように、WBCライト級タイトル挑戦者決定戦を経験した男と20ラウンドをこなした。

 「吉野さんとは4日間でした。日本タイトルの防衛戦を控えた仲里周磨選手とも15ラウンドやりました。一日5回ずつ3日間です。横浜光ジムにも行って、三代大訓選手とも20ラウンドくらいやりましたね。

 吉野さんはプレスが強くて、相手を休ませないんですよ。僕が嫌がることをやり、しっかりと攻めてきました。間合いも取らせてくれませんでした。回数を重ねていくごとに、ギアが上がりました。それていてペースが乱れず、雑にもならず、淡々としているんですよ」

撮影:筆者
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 三代さんは自分のボクシングを持っていて、戦い方を絶対に変えない巧さがありました。ズバ抜けたスピードとかキレがある訳じゃないんですが、ジャブが上手いですね。後だししたりして、差し合いで負けないんですよ。

 仲里選手は一年前のスパーでガンガン打ち合っていたのですが、カウンターを狙ってきたり、幅が出たなと感じました。彼ら3名を含めて、過去で最も多い150ラウンドのスパーを積みました」

撮影:筆者
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 明日は、神足の故郷である名古屋や母校の日大、上京してからの知り合いなど、100名以上の応援団が後楽園ホールに駆けつける。

撮影:筆者
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 神足は結んだ。

 「こんなに来て下さるのは初めてです。その人たちと、勝利の喜びを分かち合う為にも、必ず勝ちます。自分を信じてリングに上がり、勝利者コールを受けてみせます!」

 明日の神足のパフォーマンスに期待したい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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