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WBOスーパーバンタム級新王者、ステファン・フルトン「王座を統一する! ルイス・ネリとやりたい!!」

林壮一ノンフィクションライター
Photo: Amanda Westcott/SHOWTIME

 1月23日、18戦全勝8KOのステファン・フルトンが、20戦全勝9KOのチャンピオン、アンジェロ・レオに挑んだWBOスーパーバンタム級タイトルマッチ。無敗対決で注目された一戦は、予想以上に差がついた。

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 負け知らずの両者は、各々のプライドを懸け、序盤から至近距離で打ち合った。共にボディーショットに光るものを見せ、3つ4つとまとめて打てる。

 気持ちの入った戦いは、我慢比べともなった。パンチの的確さで優る挑戦者が、中盤以降にじわりじわりとポイントを重ね、最終的には3-0(118-110、119-109が2名)の大差判定勝ちでベルトを奪った。

Photo: Amanda Westcott/SHOWTIME
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 試合後、新チャンピオンとなったフィラデルフィア出身の26歳は語った。

 「いい気分だ。私のキャリアの中で最も大きな勝利となったよ。この試合に懸ける思いをお見せするって言ったでしょう。フットワークはさほど使わず、精一杯打ち合った。レオもベストを尽くしただろうが、打ち勝ったのは自分だ。

 クロスレンジでの戦いを想定して、ずっと準備していたんだ。描いていたプラン通りに戦えたよ」

Photo: Amanda Westcott/SHOWTIME
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 第1ラウンドに生じた偶然のバッティングにより、レオの左目の上が切れた。しかし、王者は自身を信じ、ひたすら前に出た。敗れはしたが、ハートの強さを示した。

 SHOWTIMEが放映する新年のタイトルマッチに相応しい、ボクシングの魅力に溢れる世界戦となった。まさしく「Toe to Toe」ファイトである。

Photo: Amanda Westcott/SHOWTIME
Photo: Amanda Westcott/SHOWTIME

 フルトンの多彩なアッパーが効果的だった。顎へ、ボディへと打ち分けた。至近距離では左ボディをヒットし、ステップでやや距離を取ると、顎への右アッパーで動きを止めた。

 レオもしっかりと体を作って来たが、腹への攻撃を受け、ダメージを蓄積させていった。

 Photo: Amanda Westcott/SHOWTIME
Photo: Amanda Westcott/SHOWTIME

 新王者は結んだ。

 「(コロナの影響で)1年ぶりの試合だったが、いい仕事を見せられたよね。私は進歩している。以前よりも動きが鋭くなった。是非、ルイス・ネリやブランドン・フィゲロアら、他団体のチャンピオンと戦いたい。王座統一を目指すよ」

 白星を加え、自身の戦績を19戦全勝としたフルトン。近い将来、井上尚弥の対戦相手となる可能性もあるように思う。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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