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アルゼンチン人コーチが語る「やはりFC東京のサッカーは見応えがある!」

林壮一ノンフィクションライター
ロストフへ移籍する為、Jリーグで最後のゲームとなった橋本拳人選手(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、栃木SC所属のエスクデロ競飛王。自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。

 昨年末から、川越市のフットサル場で自らスクールを始め、この程、埼玉県のジュニアユース、トリコロールFCのコーチとなった彼に、7月18日に行われたFC東京×浦和レッズについて聞いた。

撮影:著者
撮影:著者

 浦和レッズはJリーグ再開後、若手を中心としたメンバーに切り替え、結果を出していましたね。新型コロナウイルスの影響で2~3カ月サッカーができなかったのですから、コンディションが整った体力のある選手を使いたいでしょう。前節までは、若手の起用が上手くいっているように見えました。

 2013年以降、FC東京にはずっと勝っていましたから、自信があったのかもしれない。でも、勝ちにいくなら、マルティノス、レオナルド、エヴェルトンといった外国人選手をもっと長い時間プレーさせるべきでした。特に調子のいいエヴェルトンは先発で起用すればいいのに、と思わざるを得ませんでした。

 FC東京の戦いぶりは、レッズよりも遥かに上でしたね。橋本拳人と安部柊斗のボランチが効いていましたし、室屋成と小川諒也のサイド攻撃も良かったです。攻守の切り替えも速い。

 センタリングが上がって、ペナルティーエリアに4~5人が入る形も厚みがありました。また、レッズよりもFC東京の方が<勝ちたい気持ち>を出していましたよ。

 1点目は室屋のクロスをディエゴ・オリヴェイラが決めましたね。やはり外国人選手が決定的な仕事をしたんですよ。追加点のシーンも、永井謙佑に代えてアダイウトンを投入し、そのアダイウトンがピッチに入って5分後にディフェンスを3人もぶっちぎって2点目を叩き込んだのですから、長谷川健太監督の采配が的中した訳です。

 FC東京にしてみれば、これまではレッズに苦手意識があったようですが、昨日のゲームを見る限り、やっているサッカーのレベルが違います。橋本拳人はロシアに行ってしまいますが、安部も良い選手ですし、高萩洋次郎もいるし、このままいいサッカーをやり続けるでしょう。

 前回も言いましたがhttps://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20200714-00187912/、僕はFC東京は優勝候補だと思っています。

 サイドバックがウイングのような働きをする長谷川監督のサッカーが、僕は本当に好きです。それから、橋本拳人にはロシアでも頑張ってほしい。日本代表での活躍が大いに期待できる選手ですよね。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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