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パウンド・フォー・パウンドが負担したジョージ・フロイド葬儀の日に発表された保釈金

林壮一ノンフィクションライター
まずは4日にミネアポリスで葬儀が営まれた(写真:ロイター/アフロ)

 偽の20ドル札を使用した疑いで、白人警官に窒息死させられたジョージ・フロイドの葬儀が、現地時間4日にミネアポリスのノース・セントラル大学で営まれた。

 6日には、ジョージ・フロイドの生誕地であるノースキャロライナで、8日にはジョージ・フロイドの住まいがあったテキサス州ヒューストンでもセレモニーが予定されている。

 

 白人警官による殺人事件、及び根深い差別として社会問題となっている本件だが、この日、ジョージ・フロイドを死に至らしめたデレック・チョーヴィンの暴行に加担した3名の元同僚の保釈金が公表された。『USA TODAY』によれば、それぞれ75万ドル。1ドル=100円の単純計算で、7500万円である。殺人幇助の罪に問われているのは、トウ・サオ(34)、J・アレクサンダー・クング(27)、トーマス・レイン(36)。

左からチョーヴィン、サオ、クング、レイン 写真:Hennepin County Jail 提供
左からチョーヴィン、サオ、クング、レイン 写真:Hennepin County Jail 提供

 クングとレインは新人で、上司であるチョーヴィンを止められる筈もなかったーーーー弁護士たちはそう主張し始めた。ならば、サオは同じマイノリティーであるジョージ・フロイドが苦しみながら「息が出来ない!」と発した言葉に、何も感じなかったのか。

 3名は6月29日に出廷を命じられている。

 殺人幇助の警官にとって、保釈金75万ドルとは高いのか、安いのか?

撮影:著者
撮影:著者

 スーパーフェザーから、スーパーウエルターまで5階級を制したかつてのパウンド・フォー・パウンド、フロイド・メイウェザー・ジュニアが葬儀費用を出したことが、マイノリティーの心に微かな落ち着きを齎している。

撮影:著者
撮影:著者

 4日の葬儀の模様をTVニュースで目にしたライトフライ級の元世界チャンピオン、マイケル・カルバハルhttps://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20200324-00168628/もSNSで「メイウェザー・ジュニアに心から感謝の気持ちを述べる。よくぞ、心ある行動をしてくれた。ジョージ・フロイドのご冥福をお祈りします」と書いた。

 マイノリティーはジョージ・フロイドの死を、我が事のように捉えている。この事件は、まだまだ収束しそうもない。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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