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村田諒太vs.スティーブン・バトラー、今夜ゴング!

林壮一ノンフィクションライター
撮影:山口裕朗

 WBAミドル級タイトルマッチ、村田諒太vs.スティーブン・バトラー戦のゴングが迫って来た。

 21日の13時から行われた記者会見で村田は「いい調整が出来たので、自信を持ってリングに上がれる。やって来たことを試合当日に出したい」と語った。

撮影:著者
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 また、トレーニングが良かったのか否かは、結果によって判断される、とも話した。

撮影:著者
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 本コーナーでお馴染みの元WBAジュニアウエルター級1位、[200年に一人の天才ボクサー]亀田昭雄は言う。

 「村田は7月12日の試合で素晴らしい勝利を飾りましたから、一皮剥けたでしょう。自信が漲っている筈ですよ。王座を失った昨秋の試合は相手を見過ぎていました。が、同じ過ちを繰り返す男とは思えません。バトラーがどんな選手なのか僕は知らないけれど、村田が自分の力を出せばKOで防衛出来ると思います。

 先手、先手でパンチを当て、主導権を握るようにもっていってほしいですね。今、村田はチャンピオンとして、自分のスタイルを完成させつつあるように感じます」

撮影:著者
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 一方、バトラー陣営のマッチメイカー、ロベルト・ディアスも挑戦者の勝利を確信する。

 記者会見終了後、コメントを頂戴した。

 「私は村田を非常にリスペクトしている。彼はグレイトなチャンピオンだし、オリンピックでの金メダル獲得も見事だった。ロブ・ブラントに敗れた試合から多くを学習し、自分を成長させて王座に返り咲いた姿も立派だ。7月のファイトは、彼が120%の準備をしたことが分かった。敗北を糧としたよね。

 バトラーは若く、そして強いボクサーだ。アマ時代はカナダのトップ選手としてテクニックを絶賛された。パンチ力もあるし、何より勝利に対してハングリーだ。ミゲール・コットやカネロ・アルバレスとスパーをして、高い評価を得ている。私自身は5年ほど前に彼を知り、是非、契約したいと思った。大きな可能性を感じたからね。

 バトラーは指名挑戦者だから、WBO王者との試合を組むことも可能だった。でも、より名のあるチャンプとの試合を求め、村田戦にサインしたんだ。今回、バトラーは敵地ということでプレッシャーが全く無い。しかしながら、村田は多くのファンが彼の勝利を期待しているから、それが負担になる部分があると私は思う。

 バトラーは怪我もなく、最高の状態で日本に到着した。村田もいい選手だが、パワーはバトラーの方が上だろう。個人的には4~5ラウンドは相手の出方を見て、打ち合いはその後。9~11ラウンドの間にバトラーのビッグパンチがヒットして我々が勝つ、と見ている。そうしたら、是非、リマッチでまた日本に来たいね」

 今夜、どんな戦いが展開されるか? 目が離せない。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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