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WBCミドル級王者、ジャモール・チャーロが危なげなく7回KOで防衛

林壮一ノンフィクションライター
c)Leo Wilson / Premier Boxing Champions

 無敗のWBCミドル級チャンプ、 ジャモール・チャーロがデニス・ホーガンを下して防衛に成功した。これで戦績は、30戦全勝22KOとなった。

Photo:Leo Wilson / Premier Boxing Champions
Photo:Leo Wilson / Premier Boxing Champions

 前回も記したがhttps://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20191207-00153622/、ホーガンは安全なチャレンジャーとして選ばれた咬ませ犬である。残念ながら、アイラン・バークレーがトーマス・ハーンズ戦で見せたような<咬ませ犬の牙>を持ってはいなかった。ジャモール・チャーロは、ハーンズと同じヒットマンというニックネームを持っているが、格下を圧倒するマッチメイクに身を委ねた。

Photo:Leo Wilson / Premier Boxing Champions
Photo:Leo Wilson / Premier Boxing Champions

 第7ラウンド、チャーロはジャブを打つと見せかけたフェイントから左フックをヒットし、34歳のアイリッシュ挑戦者を沈めた。カウント10を数える前に、レフェリーが腕を交差し試合終了を告げた。

 ホーガンがダウンを喫するのは2011年4月1日のデビュー以来3度目、このファイトでは2度目であった。

Photo:Leo Wilson / Premier Boxing Champions
Photo:Leo Wilson / Premier Boxing Champions

 両者はサイズも、パワーも、技術にも大きな差があった。チャンピオンは自身が放ったパンチの32%をヒットさせたが、挑戦者は僅か17%。これではタイトルを手に出来る筈もない。

Photo:Leo Wilson / Premier Boxing Champions
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 試合後、チャーロは言った。

 「ホーガンは本気の戦いを挑んできたね。だから自分のパワーの方が優っていることを見せた。俺がヤツに放ったパンチ全てに力を込めたよ。それらを食らいながらも向かって来たホーガンの姿は世界王者みたいだったぜ」

 そして、付け加えた。

 「ミドル級は開けている。WBC王者は俺だが、誰とだって戦う」

Photo:Leo Wilson / Premier Boxing Champions
Photo:Leo Wilson / Premier Boxing Champions

 ジャモール・チャーロと村田諒太との統一戦が決まれば面白い。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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