集結したヘビー級Legends
「ボクシングはこのところヘビー級がお寒い。だから大きなイベントが打てないんだ」
先日、米国MGM本部の幹部がそう語っていた。
かつてMGMグランドガーデン・アリーナでは、ジョージ・フォアマンvs.マイケル・モーラー、マイク・タイソンvs.イベンダー・ホリフィールド、オスカー・デラホーヤvs.フロイド・メイウェザー・ジュニア、マニー・パッキャオvs.ミゲール・コット等、数々の名ファイトが催されたが、昨今はメガ・ファイトとなるタマがいない。
今回、久しぶりに話題を集めた最重量級タイトルマッチ、 Deontay Wilder vs. Tyson Fury戦は、LAのStaples Centerで行われた。NBAの名門、ロスアンゼルス・レイカースとロスアンゼルス・クリッパーズのホームアリーナであり、オスカー・デラホーヤvs.シェーン・モズリー第1戦の会場にもなっている。
PPVで試合を中継したSHOW TIMEは、今回7名の元ヘビー級トップファイターをLAに招待し、試合前日にトークショーでそれぞれに試合の予想をしてもらった。 粋な演出である。
写真左から2番目から順に、1990年2月11日に東京ドームでマイク・タイソンに勝ち、統一ヘビー級王者となったジェイムス・”バスター”・ダグラス(58)。
1年ほど前、本コーナーで特集を続けていたレノックス・ルイス(53)https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20171201-00078376/
タイソンに右耳を食いちぎられた元統一王者のイベンダー・ホリフィールド(56)
ソウル五輪の銀メダリストとしてプロ入りし、ホリフィールドと3度戦った、同じく元統一チャンピオンのリディック・ボウ(51)
そして、”ホワイトヘビー”として人気を誇り、ラリー・ホームスに挑んだゲリー・クーニー(62)
統一ライトヘビー級王者から増量し、IBFヘビー級チャンピオンとなるも、タイソンに91秒で敗れたマイケル・スピンクス(62)
モハメド・アリに挑戦したアーニー・シェイバース(74)。
ボクシング殿堂フェスティバルのような、豪華な顔ぶれだ。しかし、あのマイク・タイソンが呼ばれなかったのは……やはり、精神が安定しないためトラブルを起こすことを懸念されたからか。ヘビー級が熱かった時代、タイソンこそ主役だったように思うのだが。
栄光を手にしながらも財を失い、引退後にもがき苦しむ元チャンピオンは多い。アメリカの現実だ。そうした意味でも、かつての名ファイターにスポットライトをあてたSHOW TIME の 演出に拍手をおくりたい。