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200年に一人の天才ボクサーが語る「京口紘人2階級制覇へGO!」

林壮一ノンフィクションライター
撮影:山口裕朗

 京口紘人は、去る5月20日にIBFミニマム級タイトル2度目の防衛に成功した。3-0の判定勝ちだった。

 

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 「9ラウンドに右足の腿の前がピリピリして、攣りそうになったんです。減量の影響だと思います。身体がそうなりましたから、ベストパフォーマンスができる階級ということでIBFミニマム級のベルトを返上し、ライトフライ級に上げました」

 

 9月25日、京口はインドネシアのチボ・ボナベサ(18勝2引き分け/28歳)と対戦する。ボナベサはサウスポーだ。

 前回の試合後、京口は1週間も休まずに始動した。

 「ボナベサはスタイリッシュで、ストレートのカウンターが上手い選手ですね。サウスポーはあまり得意ではないのですが、ロープを背負わせて、中盤以降にKOするイメージで練習しています」

 現在のテーマは、「階級アップに伴い、全体的なパワーを向上させることです」と京口は話し、連日汗を流している。

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 本コーナーでお馴染み、元WBAジュニアウエルター級1位、同級日本&日本ウエルター級チャンピオンの亀田昭雄は語る。

 

 「会長が、選手の希望に耳を傾け、世界チャンピオンでありながらベルト返上を認めて次のチャレンジを用意するというのは、非常に喜ばしいことです。

 どうしたものか、日本のボクシングジムの会長は、選手の気持ちを無視してしまうタイプが多いんですよ。もちろん、京口は世界チャンピオンですから、会長だって本人の意見を聞くでしょうが…。僕なんて日本タイトルを獲った後、すぐに東洋をやりたかったのに、防衛戦が組まれてモチベーションがゼロになってしまいましたから。

 京口だったら、1階級上げても問題なく自分のボクシングをやるでしょう。バランスがいいし、あのアッパーを武器に2階級制覇を狙えると思います」

 

 9月25日、“ライトフライ級の京口”に注目だ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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