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NBAのニューフェイス「覚えておけ! 俺の名はプリンス!!」

林壮一ノンフィクションライター
今シーズン、EAST最下位に終わったホークスだが、プリンスのプレーは光っていた(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 NBAのPLAYOFFがスタートした。チャンピオンとなるのは、レブロン・ジェームスか、ステフィン・カリーか、あるいは、ジェームス・ハーデンか…。混戦模様の今季は、目が離せない。

 東地区最下位で、既にシーズンを終えたアトランタ・ホークス。しかし、同チームにはダイヤの原石が存する。その名はタウレアン・プリンス。今シーズン絶好調のヒューストン・ロケッツ戦でも一人気を吐き、存在感を十二分にアピールした。

 プリンスは、1994年3月22日生まれの24歳。テキサス州サンマルコス出身。2016年のドラフトにおいて、ユタ・ジャズより全体12位指名を受けた。

 2m3cm、100kgの身体は躍動感に満ちている。因みにプリンスの身長は、現NBA・KINGのレブロンと同じ。ポジションも、レブロンと同じSFである。背番号は12。体重はレブロンより13・5kg軽い。

 新たなNBAのスターになる可能性大のプリンスに、試合後の控室で話を聞いた。

 「ロケッツは強いわ。全力を尽くしたけれど、向こうが一枚上だったね。今のホークスには、99-118のスコアが精一杯かもな…。ホークスは、自分も含めて若手が成長中のチーム。まだまだ未完成だね。その点、ロケッツは層が厚い」

-----でも、お世辞抜きに今夜のホークスのなかでは、あなたが一番光っていたと思います。とにかくスピードがある。MVPを受賞した頃のデリク・ローズを髣髴とさせるものがありました。

Prince 本当? スピードには自信を持っているから、そう言ってもらえるのは嬉しいなぁ。

-----PLAYOFF進出は逃したけれど、来季の目標は?

Prince  日々、努力を続け、いつかオールスターに選ばれるレベルの選手になりたい。毎秒、毎秒100%の力でプレーすることを自分に課しているんだ。人間としても成長していきたい。

-----バスケとの出会いは?

Prince  幼い頃、テレビでNBAを見て興味を持った。この舞台に立ちたいなって、憧れたんだ。実際にチームに入ったのは8歳の時。チームメイトや同世代の周囲の子と比較すると、何でも思い通りにやれたので自分には才能があるかなって思った。中学、高校、大学と活躍できたので、自信を深めていった。

-----とはいえ、壁にぶつかったこともあったでしょう。

Prince  もちろんさ。何度もあるよ。プロ選手にとって、最も肝心なものは「強い精神」。俺は、常に常に「強いメンタル」を作らなきゃって考えながらやって来た。これからもそうだよ。それが成功につながると信じている。NBA選手になって、幼い頃に描いていた一つ目の夢は叶えた。けれど、まだまだ満足していない。上を目指さなきゃね。

-----来季の抱負は?

Prince  ガキの頃、両親から「周囲の人々を敬いなさい。それが人生を拓く」と教えられた。バスケも人生も同じだと思う。ファンやGMや監督やチームメイト、そしてスタッフをいつもリスペクトし、自分も他者から愛される選手にならないといけない。武器であるクイックネスにも更に磨きをかけ、一つ一つのプレーのクオリティーを上げることを目標としている。

 まだまだ俺は伸びるから、期待して見ていてよ。是非、日本のNBAファンにも応援してもらえる選手になりたいね。

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 アトランタ・ホークスの#12、タウレアン・プリンス。一見の価値あり!''''''

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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