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ついに、大統領選挙投票日

林壮一ノンフィクションライター
投票日の11月8日、結果はいかに(写真:ロイター/アフロ)

今回の大統領選は、8年前ほどHeat upしていないように感じる。

オバマ大統領誕生の際は、「不毛な戦争を続ける合衆国への怒り」が市民から見えた。ブッシュが率いた共和党が敗れるのは、当然と言えた。しかし、それ以上に"黒人初の大統領誕生"に、新しい時代を感じたものだ。

オバマが愛された最も大きな理由は「国民全員に健康保険を与える」とアナウンスしたからであろう。オバマケアは、一応、法案成立となったが、民主党が議席を失い、絵に描いた餅となった。

俺の母は障害者だ。病院に行く金もない! オバマは弱者を救ってくれるんじゃなかったのか!!

黒人青年の悲痛な叫びが、今でも胸に突き刺さっている。声の主は、高校教師時代の私の教え子だ。"裏切った民主党"を離れ、共和党支持に回った人も多いだろう。大統領選とは、失望と希望の繰り返しのような気がする。

ドナルド・トランプという男が台風の目となったのは、明日の見えない層が、「コイツなら、ひょっとして何かを変えるかもしれない」と感じたからではないか。その図式は、8年前のオバマにも当てはまる。

先月末の『LA TIMES』は、移民を切り口にした。「ヒラリー・クリントンなら、2026年までに4890億ドルの経済効果が見込まれる。ドナルド・トランプの移民政策では、同年までに8800億ドルのインフラを失う」

移民によって国が活気づくというのは、私にとっては魅力だ。

投票日の朝となった。本日、どんな結果が待ち受けているだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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