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本日、誕生日を迎えたダービートレーナーに、果たしてプレゼントは届くのか?!

平松さとしライター、フォトグラファー、リポーター、解説者
友道康夫調教師とドウデュース

好メンバー揃いだった17年ドバイターフ

 2017年のドバイワールドCデー。この日、行われたドバイターフ(GⅠ)には世界中から強豪が揃っていた。

 JRAプールで1番人気に支持されたのはザラック。無敗の凱旋門賞馬ザルカヴァの子供で、前哨戦のドバイミレニアムS(GⅢ)をほぼ持ったまま快勝していた。

 リブチェスターは、ジャックルマロワ賞(GⅠ)の勝ち馬。当時の2着馬が直後にムーランドロンシャン賞(GⅠ)を勝ち、3着馬もムーランドロンシャン賞の勝ち馬、他にもディフェンディングチャンピオンもいるという好メンバー揃いのところで勝っていた。

2017年ドバイターフで有力視された1頭リブチェスター
2017年ドバイターフで有力視された1頭リブチェスター

 そのリブチェスターに先着経験のあるエシェムや、英インターナショナルS(GⅠ)で不利を受けながらもポストポンド(前年のドバイシーマクラシック等GⅠを4勝)に迫ったムタケイエフ等、精鋭揃いのメンバー構成になったのだ。

 そこに挑んだのが日本のヴィブロス(栗東・友道康夫厩舎)だった。

 レースが始まると同馬は後方のイン。3コーナーでは鞍上のJ・モレイラの手が動くシーンもあって、苦戦必至かと感じられた。しかし、見守っていた友道は、そんな時も「大丈夫」と前年の秋華賞馬を信じていた。

 「モレイラさんには『じっくり行ってください』と伝えていました。だから厳しい位置になった時も心配はしていませんでした」

友道師(右)とヴィブロスに騎乗したJ・モレイラ騎手
友道師(右)とヴィブロスに騎乗したJ・モレイラ騎手

 結果、この指示が的を射ていた。掛かりながらも先頭に立ったリブチェスターをかわし、エシェムが先頭に躍り出たが「内ラチを気にしていた」と感じたモレイラによって外へいざなわれたヴィブロスが、ラスト100メートルを切ってから豪快に伸びた。そして、最後はまとめて差し切り、秋華賞に続くGⅠ制覇であり自身初の海外GⅠ制覇を成し遂げてみせた。

 秋華賞を勝った後、オーナーである“大魔神”こと佐々木主浩氏は「秋のGⅠ戦線にいかせたかった」そうだが、指揮官の判断により一旦休養。その後、中山記念(GⅡ、5着)をひと叩きしてからドバイという臨戦過程で見事、大金星を射止めてみせた。後にダービーを3勝する名トレーナーの采配が生んだ快勝劇だったといえるだろう。

ドバイターフを見事に勝利したヴィブロス
ドバイターフを見事に勝利したヴィブロス

誕生日プレゼントは届くのか?

 今日8月11日はそんな友道の60回目の誕生日だ。

 明後日の関屋記念(GⅢ)にはディヴィーナとラインベックの2頭を登録している。前者はヴィブロスの姉ヴィルシーナの子供である。ボスに2日遅れの誕生日プレゼントを届けてくれるだろうか。はたまたラインベックの方がプレゼントを用意しているだろうか。秋にはドウデュースの復活が待たれる伯楽の誕生日を祝うと共に、週末の動向に注目したい。

今週末、関屋記念(GⅢ)で待望の重賞初制覇を目指すディヴィーナ
今週末、関屋記念(GⅢ)で待望の重賞初制覇を目指すディヴィーナ

(文中敬称略、写真撮影=平松さとし)

ライター、フォトグラファー、リポーター、解説者

競馬専門紙を経て現在はフリー。国内の競馬場やトレセンは勿論、海外の取材も精力的に行ない、98年に日本馬として初めて海外GⅠを制したシーキングザパールを始め、ほとんどの日本馬の海外GⅠ勝利に立ち会う。 武豊、C・ルメール、藤沢和雄ら多くの関係者とも懇意にしており、テレビでのリポートや解説の他、雑誌や新聞はNumber、共同通信、日本経済新聞、月刊優駿、スポーツニッポン、東京スポーツ、週刊競馬ブック等多くに寄稿。 テレビは「平松さとしの海外挑戦こぼれ話」他、著書も「栄光のジョッキー列伝」「凱旋門賞に挑んだ日本の名馬たち」「世界を制した日本の名馬たち」他多数。

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