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キーウ市民「コロナで家から仕事をしていた2021年、ロシアの攻撃で地下鉄から仕事をしてる2022年」

佐藤仁学術研究員・著述家
キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民(写真:ロイター/アフロ)

ゼレンスキー大統領「これからも警報(サイレン)には気を付けてください」

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

2022年10月にはロシア軍はミサイルとイラン政府が提供した標的に向かって突っ込んで行き爆発する、いわゆる神風ドローンの「シャハド136(Shahed136)」、「シャハド131(Shahed131)」で首都キーウを攻撃して、国際人道法(武力紛争法)の軍事目標主義を無視して軍事施設ではない民間の建物に撃墜して攻撃を行っている。一般市民の犠牲者も出ていた。

11月に入ってからはイラン製軍事ドローンでの攻撃が激減したことから、英国国防省はイラン製軍事ドローンの在庫が枯渇したのではないかとの見解を示していた。だが12月14日にはロシア軍は首都キーウにイラン製軍事ドローン「シャハド136」と「シャハド131」13機が攻撃をしかけようとしてきたが全てウクライナ領土防衛隊によって迎撃された。

国際人道法(武力紛争法)の1949年ジュネーブ条約第一追加議定書第48条において「紛争当事者は、文民たる住民及び民用物を尊重し、保護することを確保するため、文民たる住民と戦闘員、また民用物と軍事目標とを常に区別し、軍事目標のみを軍事行動の対象とする」と軍事目標主義を規定している。だが、そんな国際人道法は侵略直後から無視されて、ロシア軍は軍事ドローンだけでなくキーウのあらゆるところにミサイルによる攻撃も行っている。

キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民

キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民
キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民写真:ロイター/アフロ

キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民
キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民写真:ロイター/アフロ

キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民
キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民写真:ロイター/アフロ

キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民
キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民写真:ロイター/アフロ

キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民
キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民写真:ロイター/アフロ

キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民
キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民写真:ロイター/アフロ

キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民
キーウの地下鉄駅に避難するキーウ市民写真:ロイター/アフロ

スマホは地下鉄構内シェルターでも必須アイテム

このように2022年10月からは首都キーウにも上空から攻撃が行われていることから、キーウ市民は地下鉄の構内をシェルターとして避難している。そして空爆で家に帰れないので、スマホやラップトップを地下鉄構内に持ち込んで仕事をしたり、学校の授業を受けたりしている。スマホはほとんど誰もが持っており、状況確認のための情報収集をしたり家族や友人とコミュニケーションをとったりしている。

ウクライナのメディアUNITED24が「2021年にはコロナ感染拡大で家から仕事をしていました。2022年はロシアの上空からの攻撃から避難するために地下鉄から仕事をしています」とコメントして地下鉄構内でスマホやラップトップで仕事をしているキーウ市民の様子を伝えていた。

2022年12月14日に13機のイラン製軍事ドローンをウクライナ領土防衛隊が撃破した時にゼレンスキー大統領は「ロシアのテロリスト集団からの攻撃に備えて、これからも警報(サイレン)には気を付けてください」と語っていた。

オデーサでは電力施設にロシア軍の軍事ドローンによる攻撃で停電が起こり、150万人以上の市民生活に打撃を与えていた。停電が起きたことによってスマホの充電ができずに自動車で充電をしている人も多かった。

▼ウクライナのメディアUNITED24公式SNSより

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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