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ウクライナ国防省 AI顔認識技術でロシア軍兵士の遺体の身元特定・ロシアの家族へ引き渡しへ

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。両国による激しい紛争で、ウクライナ軍やウクライナ市民も多く死傷しているが、ロシア軍の兵士もウクライナ軍による攻撃で死亡している。

そのようななか、ウクライナ国防省は米国Clearview AI社が開発した顔認識技術を活用して、ロシア軍兵士の遺体とソーシャルメディア(SNS)から収集した情報を元に死亡した兵士の身元を特定しようとしている。おそらく何かしらのSNSに顔写真や名前のない兵士は特定することができないのだろう。

そしてロシアの家族に兵士の死亡を連絡して遺体を引き渡す準備をしていると、ウクライナの副首相でデジタル改革大臣も務めているミハイロ・フェドロフ氏は述べている。

ミハイロ・フェドロフ氏は、このAI顔認証技術でウクライナ兵士の遺体の身元特定はしていないと語っていた。また同氏によると、この技術で精確に身元を特定できるようになった割合は高いとのこと。

ウクライナ政府はロシア兵士の家族のために「遺体を引き取るためのオンライン申請」のページも公開しており、そのページには「現在、14200人以上が死亡しています」と書かれている。

▼ミハイロ・フェドロフ氏のツイート

▼ウクライナで死亡したロシア兵の遺体を運ぶウクライナ軍

写真:ロイター/アフロ

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学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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