インド政府 フェイクニュースYouTube20チャンネルをブロック「北朝鮮が軍隊送った」というデマも
ほとんどがパキスタンの情報拡散組織から
インド政府の情報局は2021年12月に、反インドのデマを流していたり、カシミールなどの少数民族との対立を煽ったり、フェイクニュースを流しているYouTubeチャンネルの20チャンネルをブロックした。インド政府は「国家安全保障の観点から事実に基づいていない情報やコンテンツなのでブロック」したとのこと。
このうち15のチャンネルはパキスタンで活動するNaya Pakistan Group(NPG)というフェイク情報拡散組織によって運営されていた。中には「北朝鮮の金正恩が軍隊をインドに送った」といったフェイクニュースやデマ情報もあった。
今回インド政府がブロックした20のYouTubeチャンネルの登録者数は350万人以上で、再生回数は5億5000万回を超えていた。つまり、それだけフェイクニュースや反インドに関する情報が拡散された。敵国のパキスタンの組織はフェイクニュースやデモ情報を拡散することによってインド国民を惑わせたり、政府に批判的な意見を持たせようとしている。いわゆる情報戦争だ。
家にテレビはないけどスマホを持っている人がたくさんのインド
人口14億人を抱えるインドでは、まだスマホを保有していない貧困層も多い。だが、20ドルから30ドル(約2000円から3000円)くらいの格安スマホや中古のスマホが大量に流通しており、多くの人がスマホを持てるようになった。特に地方では家にテレビはないけどスマホを持っているという人も多い。
そのため、インドではテレビは見ないし、新聞も読まないけど、ネットでのニュースやYouTubeでニュースを見る人も多い。インド人が大好きなインドの映画や音楽のMVなども違法で大量にYouTubeにアップされていて人気が高い。他にもいわゆるユーチューバー(Youtuber)の個人がやっているチャンネルや違法動画、フェイクニュースがとても多いことから、何が正しいコンテンツで、何が違法やフェイクニュースなのかもわからないくらい、インドでは大量の動画コンテンツがYouTubeにアップされている。
そして、このようなフェイクニュースやデマ情報でも本当かどうかのファクトチェック(事実の確認)をする人もほとんどいないので、フェイクニュースやデマ情報を真に受けてしまう人が多い。特に敵国であるパキスタンや中国との対立や少数民族との対立などは国民のナショナリズム感情を煽りやすいので、視聴されやすし、拡散も多くされている。