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カナダ、若者の6割が「いつも歩きスマホをしている」半数以上がイヤホンで音楽も聴きながら

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

 カナダでは11月は「歩きスマホ」注意喚起月間だ。日本だけでなくカナダでも「歩きスマホ」が社会問題になっており、トラブルや交通事故の原因になっている。カナダでは毎年、約2000人が歩行中に交通事故で死亡、16万人以上が何かしらの怪我などをしている。

暗くなる秋の夕方は交通事故が多発

 特にカナダでは秋になると夕方4時半から7時までの間に暗くなるので、道路での視界が悪くなり、交通事故が多発する。外が暗くなり、自動車の運転手は歩行者に気が付きにくく、また歩行者も「歩きスマホ」をしていて、自動車が接近してくることに気が付かない。米国カーネギーメロン大学の調査によると、この夕方の暗い時間帯は歩行者の交通事故での死亡者が通常よりも3倍多いという調査結果が出ている。

 日本では鉄道会社が駅で「歩きスマホ」の注意喚起を呼びかけているが、カナダでは保険会社が「歩きスマホ」の注意喚起を行っている。

16歳から24歳は57%がイヤホンしながら「歩きスマホ」

 カナダのDesjardinsグループの保険会社の調査によると、カナダ人の3人に2人が「歩きスマホ」、「運転中のスマホ」、「自転車スマホ」をしたことがある。特に「歩きスマホ」は10人に3人(30%)がいつもやっていると回答しているが、年代別で16歳から24歳の若者だと61%がいつも「歩きスマホ」をしていると回答。

 カナダ人の38%が「歩きスマホ」をしながら横断歩道を歩行していると回答しているが、16歳から24歳の若者だと47%が「歩きスマホ」をしながら横断歩道を歩行。

 カナダ人の26%がヘッドホンをして音楽を聴きながら「歩きスマホ」をしていると回答しているが、16歳から24歳の若者のうち57%がヘッドホンを着用して音楽を聴きながら「歩きスマホ」をしていると回答。

 またアンケートでは「道路での事故は、誰に責任があるのか?」という問いに64%が「歩行者、運転手など全ての関係者」と回答している。さらに56%が州政府に「歩きスマホ」対策への何かしらの対応を求めており、72%が歩行者や自転車が安全に移動できるような都市にしてほしいと回答している。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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