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Facebook、英国の新聞に「フェイクニュースに騙されない10のコツ」広告を掲載

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

イギリスの新聞にFacebookが「フェイクニュース」(偽記事)の見分け方のコツを案内する広告が掲載された。2017年6月8日に開催されるイギリスでの総選挙を控えて、新聞読者にフェイクニュースに騙されないように訴えている。

内容は「Tips for Spotting False News」というタイトルで「フェイクニュースに騙されない10のコツ」が紹介されている。英米ではこのような「○○の10のポイント」のような自己啓発や広告宣伝が好きで、一般大衆に受け入れられやすい。

実際にFacebook上では大量のフェイクニュースが飛び交っており、多くの人がフェイクニュースと気づかずに信用してしまう。フェイクニュースの方が「偽記事」であるため見出し(ヘッドライン)も内容もインパクトがあり、読みやすく、面白く書かれているので、多くの人にシェアされやすい。そのため拡散も速い。

Facebookは全世界で19億人が利用しており、プラットフォームとしての浸透力と影響は計り知れない。そのためFacebookには以前からフェイクニュース対策を積極的に行ってきた。またイギリスでも総選挙を控えており、フェイクニュースに基づいて投票行動に出る可能性が高いことから、議員らもFacebookに対してフェイクニュース対策をするようにとの強い要請があった。

イギリスでも多くの人がFacebookを利用している。Facebook自身も同じ内容の注意をFacebookでも紹介しているが、おそらくほとんど人が目を通さないから、誰もが目にする新聞に広告を掲載したのだろう。また新聞への掲載はフェイクニュース対策を講じるように訴えている議員らへのアピールにもなる。

Facebookが掲載している「フェイクニュースに騙されない10のコツ」

1.怪しい見出しを疑え

2.URLを注意して見る

3.ソースにあたる

4.記事のフォーマットが他と違ってないか確認

5.写真が正しいか確認

6.日付をチェック

7.執筆者を確認

8.他のニュースもチェック

9.ただのジョークなのか?をチェック

10.批判的に読んで、信頼できる記事だけシェア

Tips to Spot False News

「一緒にフェイクニュースの拡散をやめていこう」と訴えている。

一見するとFacebookの広告とはわからない
一見するとFacebookの広告とはわからない
学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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