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バイデン政権の誕生をハリウッドが祝福。「モノクロからカラーになった感じ」

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 現地時間20日、アメリカでついにジョー・バイデン政権が誕生した。就任式で、バイデンは、分断したこの国をひとつにしましょう、自分に投票してくれなかった人たちのためにも同じだけ一生懸命働きますという、およそ20分のスピーチで、人々の心を揺るがせている。若き黒人女性アマンダ・ゴーマンが朗読した詩も感動的で、未来への希望を感じさせた。4年間という長い時期を、嘘つきで自分のことしか考えないトランプ政権のもとで過ごすことを強いられてきたハリウッドセレブは、ソーシャルメディアで新たな時代の到来への喜びを分かち合っている。

 今の気分を最も的確に表現したのは、マーク・ハミル。昨年11月、バイデンが選挙で当選した時には、オバマを「新たなる希望」、トランプを「帝国の逆襲」、バイデンを「ジェダイの復讐」と「スター・ウォーズ」になぞらえるツイートをして大受けした彼は、いよいよバイデンが大統領になったことについて、「モノクロからカラーになったように感じる」とコメントした。ジョシュ・ギャッドは、バイデンの就任式スピーチを、「僕の人生の中で就任式の最高のスピーチがどれだったかはわからないが、たった今、僕の人生で最も重要な就任式のスピーチを聞いたのはたしかだ」と絶賛。さらに、「民主主義はあって当たり前と勘違いしてはいけない」「ミスター・プレジデントと副大統領ハリス、おめでとうございます。みんなが直面する苦難に挑み、暗いところから明るいところに導いてくれるリーダーとして、あなたたち以上に優れた人は想像できません」ともツイートしている。ジミー・キンメルも、「新大統領ジョー・バイデン、副大統領カマラ・ハリス、おめでとうございます。あなたたちはアメリカを再び良い国にしてくれることでしょう」とお祝いの言葉を送った。

 リース・ウィザスプーンは、「私たちは、なんとすばらしい瞬間を目撃したのでしょうか。まだ私たちの国が分断しているのは辛い事実ですが、これはお互いを認識していく瞬間だと、私はポジティブに感じています。再び『統合した(United)』国になる誓い。今日、私はこの国の未来に希望を感じます」とツイート。ロブ・ライナーも、「ヒューマニティ。多様性。品位。愛。希望。民主主義は生き延びる。ゴッド・ブレス・アメリカ」と今の気分を宣言。マーク・ラファロも、「僕たちは大丈夫だよ。壊れたものは、新しくなる。傷ついたら、そこから思いやりと人柄が生まれる。分断からは、何かが明確に見えてくる。絶望からは知恵が、喪失からはコミュニティが生まれる」と、これからへの希望を語った。

 彼らの言うとおり、アメリカは今、新しい時代への一歩を踏み出した。その先は、きっと、明るい。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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