Yahoo!ニュース

晴海フラッグの選手村マンション、分譲住戸を賃貸に回すと意外に苦労しそうな理由

櫻井幸雄住宅評論家
分譲棟の他に1500戸近い賃貸住宅もある晴海フラッグ・選手村マンション。筆者撮影

 東京都中央区の「晴海フラッグ」で、旧・東京五輪選手村をリノベーションした分譲マンション(以下、選手村マンション)で、建物の引き渡しが1月から始まった。すでに「中古マンション」として売り出されている住戸があるが、同時に賃貸に出す事例も出ている。

 その月額家賃は、80平米クラスの3LDKで30万円から45万円程度、100平米以上の大型住戸だと50万円を超える水準となっている。中古としての売却価格同様に、決して安くはない。

 晴海フラッグの選手村マンションのように、分譲時に「割安」と評価されたマンションは、賃貸で活用されるケースが多い。安く手に入れ、長期間安定した収益を得ることに魅力を感じる人が多いからだ。

 賃貸として活用した後で売却することもできるため、安易に売却せず、賃貸で様子をみるのは賢いやり方と考えられている。

 晴海フラッグの選手村マンション分譲棟でも、希望どおりの価格で売れそうもなかったら、賃貸に切り替えようと考える人は多くなるだろう。

 が、果たして、賃貸で楽に家賃が稼げるかどうか。その点に関して、晴海フラッグが備える特殊事情により、いくつかの不安材料が垣間見えてくる。それは、同じ晴海フラッグ内に賃貸棟が存在することによって生まれるものだった。

賃貸棟との棲み分けがうまくいかない可能性も

この記事は有料です。
資産価値はもう古い!不動産のプロが知るべき「真・物件力」のバックナンバーをお申し込みください。

資産価値はもう古い!不動産のプロが知るべき「真・物件力」のバックナンバー 2024年3月

税込1,100(記事3本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

櫻井幸雄の最近の記事