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地底人CMのJKから『先生さようなら』でヒロイン。ティーンの神モデル・林芽亜里のドラマデビューの背景

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(c)「先生さようなら」製作委員会

Snow Manの渡辺翔太が主演、現在と過去の教師と生徒の恋が交錯するドラマ『先生さようなら』。美術教師に恋する女子高生という現代パートのヒロインを演じているのが林芽亜里だ。小4でモデルデビューし、現在18歳で「non-no」の最年少モデル。“ガーリーの神様”と呼ばれ、10代女子に絶大な支持を受けてきた。昨年は木村拓哉が地底人に扮した「オープンハウス」のCMでも話題に。ドラマは初出演ながら、ピュアさ溢れる演技が目を引く。活躍の場を広げた経緯から聞いた。

高校生のうちに学園ものに出たかったんです

――『先生さようなら』が初のドラマ出演となりましたが、自分でドラマはよく観ていましたか?

 毎クール何本かは観ていました。『先生さようなら』が決まってから、より演技をお勉強しようと思って、ジャンルを問わず観るようになりました。

――好きだった作品というと?

 石原さとみさんがすごく好きで、『(地味にスゴイ!)校閲ガール・河野悦子』は当時も観てましたし、今も配信で観直したりしています。あと、王道のキュンキュン系はきっと学生さんはみんな好きだと思いますけど、私はひとクセあるストーリーも好みです。

――では、現在と過去の教師と生徒の恋が描かれた『先生さようなら』は、うってつけでしたかね。

 そうなんです。ラブストーリーのドラマに出るのが夢だったのと、自分が高校生のうちに学園ものに出たかったのと、ふたつ同時に叶って、すごく嬉しいです。

学校では行事が好きで委員長もやりました

――モデルとしては小学4年生でデビューしました。芸能スクールにも通っていたそうですが、子どもの頃から人前に出るのが好きだったんですか?

 振り返ると、小学校で企画委員会の委員長をやっていました。中学でいう生徒会長みたいなポジションで、会議で司会をしたり、みんなをまとめて役割を振り分けたり。そういうことは得意だったかもしれません。

――自分から委員長をやりたいと?

 そうですね。6年生は何か委員会に入らないといけなくて、私が選んだのが企画委員の委員長でした。行事が好きだったので、自分で案を出せることに惹かれて、みんなに「これやろう! 私も一緒にやるから!」と頑張っていました。

――「ニコ☆プチ」の頃から“ガーリーの神様”と呼ばれていました。

 最初は前髪がなくて、元気でポップなお洋服を着ることが多かったんですけど、前髪を作ってから、かわいいお洋服をいっぱい着させてもらえるようになって。自分でもガーリーに興味が出てきました。

――それにしても、小学生にして“神様”になるとは(笑)。

林 そんなふうに名付けてもらえるとは思ってもみませんでした。でも、嬉しかったですし、学校のクラスメイトは変わらず接してくれました。

友だちができて素を見せられるように

――明るいキャラでもあったんですか?

 中学は受験して、同じ小学校だった子たちと別れて私立に行って、最初は人見知りでした。私は一番前の席になって、後ろからみんなが仲良くしている声を聞きながら、振り向けない感じだったんです。それで、お昼ごはんのとき、牛乳を取りに行く係をやっていたんですね。一緒に取りに行った女の子に、階段で「お友だちになろう」と言いました。

――ストレートに行ったんですね。

 その子は最初、私がモデルをやっていることは知らなかったのですが、ずっと仲良くしてくれて。中学は自分の素を見せられる場所になりましたけど、卒業したら、今度は上京して高校に入りました。2年生のときに転校してきた子と親友になれたので、ありがたかったです。

――ちなみに、芽亜里さんって本名ですか?

 そうです。アジア(亜細亜)の里から芽が出る子……ということで付けたと聞きました。

――メアリ(Mary)って欧米人の名前でもありますから、ご両親は世界での活躍も見据えてらっしゃったんですかね。

 それも言ってましたけど、後付けだと思います(笑)。英語の授業でメアリって出てくると「えっ、私?」と思っていました(笑)。

レッスンを受ける前から演技に苦手意識が

――上京してから、演技レッスンを受け始めたんですか?

 東京に来て2年めくらいからです。わりと最近ですね。お仕事のために上京して、演技もしなければと思ってはいましたけど、自分からやりたい意欲はなくて。やったことのない演技に勝手に苦手意識を持っていて、事務所の方に「レッスンを受けませんか?」と言われても、「私はモデルをやっていくので」みたいな。

――「nicola」から「non-no」と大人気でしたからね。

 演技レッスンを始めても、台詞を覚えて感情を込めるのが難しくて。でも、回数を重ねるうちに殻を破れたというか、自分でない誰かを演じることに恥ずかしさがなくなったんです。ちょっとずつ、演技が楽しくなりました。

――感情表現もすぐできるように?

 年上の方とレッスンをすることが多くて、題材が学校より、弁護士になったり不倫をしたり(笑)。普段の自分と違う大人の世界に飛び込んだことで、新しい表現を見つけられて、吹っ切れたのかなと思います。

自分の中で感情の動きが大きくなって

――もともと感情の起伏はあるほうでした?

 あまり泣いたりすることはなかったんですけど、最近はドラマや映画や小説に感情移入して、すごく涙が出たりします。ドラマにも出演して、自分の中で感情の動きが大きくなったのかもしれません。

――ちなみに、どんな作品で泣いたんですか?

 つい先日、映画の『君と世界が終わる日に』を観に行って。アクションも多いからドキドキ、ハラハラしましたけど、最後のほうはすごく感動しました。映画館なのに、家でテレビを観ているくらい、泣きたい放題泣いた記憶があります(笑)。

自分と違う今ドキな口調が難しかったです

――去年はオープンハウスのCMで地底人に扮した木村拓哉さんと共演して、反響は大きかったですか?

 自分でもテレビでよく観ましたし、いろいろなところで流れていて、あのCMで私を知ってくださった方もいました。それまでは女子中高生が雑誌を見て好きになってくれていたのが、大人の方からもインスタのフォローが来たり。幅が広くなって、ありがたかったです。

――自分の出ているCMを観るのは、雑誌とはまた違う感覚ですか?

 全然違います。雑誌は小学4年生からやっているので、自分が載っているページも普通に見ていますけど、テレビの大きい画面に自分がいることに、最初はすごく驚きました。

――ご両親も喜ばれたことでしょうね。

 「木村さんと⁉」ということで、私以上に大喜びしてくれました(笑)。

――撮影ではどんなことを特に頑張りましたか?

 CMで、しかも相手が木村さんということで、すごく緊張していました。役も普段の自分の口調でない、今ドキっぽい女子高生だったので、その表現も難しかったです。でも、オーディションで合格をいただいた通りにやればいいと自分に言い聞かせて、自然にできたかなと思います。

先生を好きになったことはなくてドキドキしました

――『先生さようなら』のような先生を好きになる話は、マンガや映画ではわりとありますが、身の周りではどうでした?

 「あの先生は親身になって教えてくれる」みたいな話はありますけど、恋として好きになることは、私自身にも周りの友だちにもまったくなかったです。原作を読んだときから、夢の世界という感じでしたね。

――2話で担任になった田邑先生に声を掛けられて、キラキラ笑顔になった弥生は、リアルに恋する女の子という感じでした。

 弥生ちゃんについて、監督さんといっぱい話し合いました。自分の意志はあっても周りに合わせて言えない感じだったのが、田邑先生と出会ったことで、どんどん変化していったらいいよねと。田邑先生が担任になったり、嬉しいときの表現は自然な笑顔で出せたのではないかなと思います。私は高校で転校生と仲良くなって学校がますます楽しくなりましたけど、弥生ちゃんにとっては田邑先生がそういう存在だったり、共感するところはたくさんあります。

撮影帰りに1日にあったことを全部書いてます

――弥生役には最初からハマったわけですか?

 自分と似ている部分は多いです。それで演じやすい部分はありつつ、似ているからこそ、私でない弥生ちゃんを演じる難しさもありました。

――芽亜里さんは演技ノートを付けているそうですが、このドラマに関しては、どんなことを書いていますか?

 まず原作を読んだ感想や解釈から、弥生ちゃんはこんな人で、今はこうだけど何話でこうなるとか、自分なりに考えて書いていました。あと、撮影が毎日あって体は疲れているはずですけど、1日にあったことをすべて、自分の中に収めておきたい気持ちもあって。帰りのロケバスで、教えてもらったこととかスマホにいろいろメモしておいて、何日か経ったら見返します。書いて残しておくと、より自分の中に入ってくるかなと思ったんです。

手に触れられてどんな気持ちになるのか

――1話で先生が、弥生の手の甲に犬の絵を描いたのは、キュンキュンどころでした?

 手に絵を描いてもらうことも、先生に手を取られる経験もなかったので、台本を読んでドキドキしました。実際に演じてみて、手に触れられて、弥生ちゃんはどんな気持ちなのか。学校で田邑先生のことを知ってはいても、2人だけの空間は初めて。やっぱりドキドキするのと、プラス「えっ、何?」みたいな女子高生らしい気持ちが混ざるのはわかりました。

――しかし、渡辺翔太さんの田邑先生だから胸キュンかもですが、現実でいきなり手に絵を描かれたら、どうですかね(笑)?

 確かに(笑)。でも、弥生ちゃんはお風呂に入っても、その絵を消さないようにしていたので、本当に大切だったんだと思います。

屋上に呼び出されて告白されるのが理想です

――3話では「先生のことが好きなんです」という告白シーンがありました。

 物語の重要なシーンですし、告白は人生の中でもすごく大事なことだから、大切にしようという想いはありました。毎回どのシーンも皆さん真剣ですけど、告白シーンを撮る前は、また違う空気も感じて。力を込めて真っすぐに伝えることを大事に、演じました。

――試行錯誤はなかったですか?

 ありました。「よく知らないのに変かもしれませんけど」は、台本を読んだ段階では、ボソボソ言う感じかと解釈していたんです。でも、段取りをやっていくうちに、そこも先生に向けて言いたくなって。監督に話したら「それがいいね」と意見が一致しました。ドラマを観てくださった方から「告白シーンが良かった」とメッセージをいただいて、弥生ちゃんの気持ちがわかってもらえて良かったです。

――告白は実際の学校でも、周りであることでした?

 私はしたことないですし、友だちがした・されたという話もあまり聞かなかったです。告白ってどういう感じなんだろうと思っていましたけど、弥生ちゃんも初めてだったので、ドキドキしても気持ちを伝えたい緊張感はよくわかりました。

――芽亜里さんだったら、告白すれば断る男子はいなさそうだから、緊張することもない気がします(笑)。

林 どうですかね。私は告白されたいタイプなんです。ベタですけど、屋上に呼び出されて「好きだ」と言われるのが理想(笑)。でも、そんなこともないまま、もう高校を卒業します。青春はこのドラマで経験できました。

笑いのツボが一緒の人がいいなと

――恋愛相手の理想は高いんですか?

 理想というか妄想が膨らんでしまって、マンガの世界みたいなことを考えてしまうところがあります。でも、実際に好きになる人は別なのかな、と思ったりもしてます。

――理想としては、どんな人がいいと?

 母や父には「笑いのツボが一緒の人がいいよ」と言われています。確かに、一緒に過ごしていて、自分が面白くても相手が笑ってくれなかったら、ちょっと寂しいですよね。いっぱい笑える2人でいたい、というのは理想としても現実的にも、ひとつあります。あとは、ツンツンしてなくて、やさしくて面白い人がいいかもしれません。

――芽亜里さんの笑いのツボって、どうなんですか?

 だいぶ浅いと思います(笑)。バラエティやコメディを観て、周りの人より笑っている自覚はあって。ツボかわかりませんけど、いつもニコニコしているとも言われます。

――田邑先生は芽亜里さん目線だと、弥生が好きになるのもわかりますか?

 先生として理想だと思います。生徒1人1人のことをちゃんと見て、寄り添ってくれるのがすごく素敵だなと。学校にいてほしいです。

先生を守りたい気持ちには共感できました

――弥生を演じていて、そこまで悩むシーンはなかったですか?

 後半に進むにつれて、自分では経験したことのない感情が、弥生ちゃんの中に出てきます。「こっちかな。あっちかな」というのはありました。自分の解釈と現場で起こることが違うのも難しいところですけど、がんじがらめにならず、いろいろなパターンを用意しておくことと、常に新鮮な気持ちで演じることを学びました。

――田邑先生にアプローチしていた同級生のレイナが、先生が結婚していたことを問い詰めると言い出して、弥生が「やめたほうがいい」と言い争うシーンもありました。

 あそこもだいぶ難しかったです。でも、先生を助けたい、守りたいという気持ちにはすごく共感できました。その場にいない先生を心の中に宿しながら、真剣に立ち向かうことを心掛けました。

――芽亜里さん自身は普段、ああいう口論をすることは?

 まったくないです。弥生ちゃんは本当にカッコいいと思いました。最初あまり見せなかったけど、意外と行動力があって、積極的にいろいろなことに立ち向かって。面と向かって告白したのもそうですけど、私にはできないことでした。

絵は教わりましたけど犬が6本足に(笑)

――弥生は美術部に入りましたが、芽亜里さんも絵は描きますか?

 学校の美術の授業以外で、描くことはありませんでした。今回、弥生ちゃんが美術部ということで絵の先生に教わって、家で柿や円柱を描いたりしました。役作りというんですかね。

――絵を描くシーン自体はそんなになくても。

 でも、田邑先生に教えてもらったりんごの絵とか、自分で描いたんです。ドラマの中で、たいぶ使われていました。撮影が始まる前に、美術部のみんなで練習したのも楽しかったです。

――YouTubeの番組チャンネルでの生徒4人のお絵描きバトルで、足が6本ある犬を描いてました(笑)。

 私は美術部という感じでないフワーンとした絵しか描けなくて。あのときは制限時間もあってワタワタしてしまって、夢中で描いたのを見せたら、足が6本ありました(笑)。

――普段のお休みの日は何をしているんですか?

 石川にいたときはずっと家にいて、ソファでテレビやスマホを観ていました。東京に来てからは外に出るようになって、ちょっと遠くまで歩いてみたり、アンテナショップに行ったり。1日中、家にいることは少なくなりました。

――オシャレさんではあるんですよね。

 モデルのお仕事ではいろいろな洋服を着られて、私服もオシャレにしたい気持ちはあります。ドラマ現場の1日密着とか観ると、私服は意外とゆったりした感じの女優さんが多くて。私も今回の現場では、ダボッとしたスウェットにロンTにデニムみたいなコーデもしていました。自分からしようとは思わなかった、新しいファッションが身に付いたと思います。

自分にない感情になるのが楽しかったです

――『先生さようなら』の放送はリアタイで観ているんですか?

 毎回リアタイです。先に完成動画をもらったときは、自分の演技について「もうちょっとこうできた」とか、そういう目線でしか観られなくて。テレビでは反省を踏まえつつ、ドラマとして楽しむようにしています。あと、自分は現代編しか出ていないので、渡辺翔太さんと北香那さんの過去編を観るのも楽しみです。

――初めてドラマに出演して、演技のやり甲斐もより大きくなりました?

 レッスンしているときとは違う楽しさを見つけました。レッスンでは先生に見せる感じでしたけど、ドラマでは周りに人が多くいて、カメラに撮られて、たくさんの方に観ていただける。すごく緊張もしながら、自分にない感情になることに、ちょっと楽しさも感じました。まだ演技がすごく面白いというところまでは辿り着けていませんが、階段を一歩ずつ上っている感覚はあります。

――最初に苦手意識を持っていたのが、不思議なくらいに?

 足を踏み入れてみないと、わからないものですね。やってみたら演技は楽しいと、ここで気づけて良かったです。

サンミュージック提供
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JKの残りの青春を充実させます

――もうすぐ高校を卒業ですが、名残り惜しいですか?

 JKというものが終わってしまう……という想いはあります。最後までJK生活も充実したものにしたくて。卒業式までに友だちと制服を着て、いろいろなところに行こうねと話しています。

――制服ディズニーとか?

 それはもちろん、他に「制服で海に行きたい」とずっと言っています。夕陽をバックにTHE青春をしっかり堪能して、JKのラストを飾りたいと思っています。

――新たに始めたいこともありますか?

 学びたいことはいっぱいあります。小学生の頃に本が好きで、よく図書館に行っていましたけど、その熱が再来してきていて。本をいっぱい読んだり、ドラマを観たりして、時間を有効に活用したいです。

――どんな本を読んでいるんですか?

 ほっこりする小説とか、切ない系の恋愛系とか、ファンタジー要素が入ったものとか、いろいろなジャンルです。最近読んだのは『星になれない君の歌』。死んでしまった幼なじみの幽霊が主人公に見えて、片思いの相手に贈ろうとしていた歌を一緒に作るストーリーです。ハッピーエンドと言えるのかわかりませんけど、1冊の中で感情を動かされて、夜な夜な涙しながら読んでいました。そういうことも演技に繋がればいいなと思います。

Profile

林芽亜里(はやし・めあり)

2005年11月5日生まれ、石川県出身。2016年に「ニコ☆プチ」でモデルデビュー。2019年6月より「nicola」で専属モデル。2022年11月より「non-no」専属モデル。2024年1月より放送中のドラマ『先生さようなら』(日本テレビほか)で女優デビュー。

シンドラ『先生さようなら』

日本テレビほか・月曜24:59~ TVer、Huluで配信中

公式HP

(c)「先生さようなら」製作委員会
(c)「先生さようなら」製作委員会

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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