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川口春奈、広瀬すずらを継ぎ高校サッカー応援マネージャー18代目の凛美 「負ける悔しさはわかります」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
撮影/松下茜

12月28日に開幕する第101回全国高校サッカー選手権大会。新垣結衣、川口春奈、広瀬すず、永野芽郁らが高校時代に歴任してきた「応援マネージャー」の18代目に16歳の凛美が選ばれた。今年、ドラマ『マイファミリー』や『じゃがりこ』CMなどで注目された、登竜門に似つかわしい美少女。大役への想いと高校生女優としての素顔を聞いた。

テスト勉強は徹夜でして両立を頑張ってます

――11月に16歳の誕生日を迎えました。当日はパーティーとかしたんですか?

凛美 しませんでした。ゆったり過ごしたかったので。でも、日付が変わった瞬間、母が『ハッピーバースデートゥユー』を流してくれて、「イエーイ!」となりました(笑)。

――プレゼントをもらったりも?

凛美 スマホケースが欲しくて、お店に行って実際に見て決めようかなと思っています。「誕生日プレゼントっぽくないね」と言われましたけど(笑)、特に欲しいものがないんです。

――高校に進学した頃の取材では「勉強が大変」とのことでしたが、今はどうですか?

凛美 大変でーす(笑)。テスト期間中は毎回徹夜して勉強したり、お仕事と両立できるように頑張ってます。

――中学時代から数学が得意なんでしたっけ?

凛美 好きではあって理解は早いんですけど、点数が取れるかというと、そうでもなくて(笑)。今の単元だと化学が好きです。理想気体の状態方程式をやっているところです。

文化祭でゲームを作って「青春だな」と思いました

――「高校でやりたいことリスト」を作って、「毎月プリクラを撮る」といった話も出ていましたが、実現できてます?

凛美 全然できてないです(笑)。でも、この前、友だちとディズニーランドに行って、お誕生日をお祝いしてもらいました。同じ友だちと毎年行っていて、念願のベイマックス(のハッピーライド)にも乗れて楽しかったです。

――学校行事は参加できました?

凛美 文化祭で、今までは研究したことを模造紙に書いて展示するだけだったのが、今年はゲーム的なものを作って、自分でも青春だなと思いました。

――どんなゲームを作ったんですか?

凛美 上からボールが降ってきて、対面して板を動かして穴に落とさないようにしながら、ゴールに入れる……というものを作りました。完成してからも、もっと良くならないか、効率的にする方法はないかと、120%くらいのものにしたんです。終わって壊すのも楽しかったですね。「オリャーッ!」と言いながら(笑)。

選ばれたと聞いて大声が出てしまって(笑)

――高校サッカー応援マネージャーには、前から関心はあったんですか?

凛美 もちろんです。歴代の皆さんがすごくて、毎年の発表を私も楽しみにしていたので、選んでいただけて光栄です。

――自分が選ばれたことは、どんな状況で聞きました?

凛美 家でゆっくりしていたら、マネージャーさんから「決まったよ」とメッセージが来ました。私、普段は驚いたことがあっても、声は出ないんです。でも、そのときは「エーーッ⁉」とめちゃ大きい声を出してしまって、母をビックリさせました(笑)。

――応募したのは知っていたんですよね?

凛美 聞いていました。でも、まさか自分が選ばれるとは思ってなくて、信じられなかったです。

――高校サッカー自体は観ていたんですか?

凛美 応援マネージャーをやりたいと思って、意識して観始めたのは中学生からです。人が本気になっている姿って、感動しますよね。高校3年間が詰まっていて、先輩と後輩の絆もあって。だから、どの学校からもいろいろな感動をもらっていました。

――凛美さんの学校にもサッカー部はあるんですか?

凛美 あります。いつもグラウンドで練習していて、よくこんなに走れるなと思ってます。

リフティングは本番で初めて7回できました

――凛美さん自身は、体育の授業とかでサッカーをしたことはありますか?

凛美 小学生の頃、学童で男の子と混じってやってました。めちゃくちゃ楽しかったです。と言っても、私はゴール前に立っていて、ちょこんとゴールを入れる役だったので。みんなが点を獲らせてくれたから、それは楽しいですよね(笑)。

――球技はあまり得意でないとか。

凛美 そうなんです。だから、応援マネージャーのリフティングチャレンジのとき、ドリブルもやったら遅くて、ほとんど歩いていました(笑)。

――でも、リフティングは7回できたんですよね?

凛美 まぐれですかね(笑)。本番ギリギリの前日になって、友だちからサッカーボールを借りて練習したときは、2回できたら良いほう。だいたい1回でポーンって飛んでいってしまう感じだったので、まさかあんなにうまくいくとは思いませんでした。

――公式の自己紹介動画では、“ダンスをしながら円周率を50ケタ言う”という特技を披露していました。

凛美 何をしようか考えたとき、たまたま円周率をちょっと覚えていたんです。その延長で50ケタまで暗記して、棒立ちで言っても面白くないから、ダンスもやって組み合わせました。

――50ケタ覚えるだけでも大変ではなかったですか?

凛美 同じ数字が何回も出てくるので、違うところに飛んでしまったり、苦労しました。でも、ダンスと一緒に振りとして体で覚えたほうが早かったです。

料理部でのユルい放課後の雰囲気が好きでした

――部活ということだと、凛美さんは中学時代、料理部だったんですよね。

凛美 はい。1年生のときだけ料理部で、コロナで活動できなくなってしまいました。

――料理部でも大会みたいなものはあるんですか?

凛美 ないです。文化祭でちょこっと出すだけ。おいしいものを楽しく作ろうという、ユルい部活でした(笑)。

――料理が好きで入ったんですか?

凛美 そうですね。あと、活動が週1で、たまたまお仕事があまりない曜日だったので、友だちと一緒に入りました。先輩も仲良くしてくれて、顧問の先生も好きでした。

――1年の中でも部活の思い出はできました?

凛美 文化祭でチョコチップマフィンを作って、シフトとか組んでバイト感覚になりました。たくさん食べに来てくれて、忙しかったけど楽しかったです。文化祭が終わったあと、ピザやお菓子をたくさん買ってきて、部室で打ち上げもしました。先生たちがその日だけはいいということで、思い出になりました。

――それにしても、全国の中高生がそうだったとはいえ、コロナで活動休止になったのはやるせなかったでしょうね。

凛美 いつ再開するんだろうと、もどかしかったです。放課後のユルい雰囲気が好きだったので、それがなくなってしまうのは残念でした。

ダンスではセンターを目指して人一倍練習して

――4歳の頃から習っていたというダンスは、運動部っぽい感じでした?

凛美 それはありました。大会に出たことはないんですけど、発表会で最高のものを見せられるように、チームでたくさん汗を流して、ときにはぶつかったり、先生に怒られたりもしました。センターになるためのテストもあってバチバチしながら、夜まで練習して、帰りにコンビニでお菓子を買って帰るのは楽しかったです。

――凛美さんはセンターになったんですか?

凛美 なりました! 人一倍、練習はしたので。そういう部分では、サッカー選手の気持ちもちょっとわかるかもしれません。

――運動部のマネージャーをやってみたいと思ったことはありますか?

凛美 めちゃ憧れました。選手同士とはまた別の絆や信頼関係がある気がして。私は表に立つお仕事をしていますけど、裏方や縁の下の力持ちもいいなと思うんです。

オーディションでも勝ち負けはあるので

――スポーツをやっている男子はカッコ良く見えますか?

凛美 汗を流して頑張っている姿は、男子でも女子でもカッコいいと思います。私は高校サッカーでも甲子園でも、負けたチームに感情移入するタイプです。悔しいだろうなと思って、泣いてしまったりもします。

――自分の経験と重ねたりもして?

凛美 オーディションでも常に勝ち負けはあるので。そこで終わってしまう悲しさや、努力して準備してきてもダメなときがあることは少しわかります。だから、負けた瞬間がテレビで映されると苦しくなります。

――第101回大会の開幕を控え、応援マネージャーの仕事で楽しみなことはありますか?

凛美 生で試合を観ることはなかったので、すごく楽しみです。ずっと配信やテレビで観てきた憧れの世界に入れる感じがして。国立競技場は外からは何度も観ていて、最近は前を通るたびに「この中に行くのか」とワクワクしています。

演技のために日常で人間観察をしています

――凛美さん自身は今、演技のために日ごろから鍛えていることはありますか?

凛美 日常生活で人をよく見るようにしています。電車で自分と同じ高校生が、どんな感じで話しているんだろう……とか。私は演じていて、たとえば歩くシーンなら歩くだけになりがちなんです。人は意外といろいろなことを同時に考えて、どこかがずっと動いていたりもするので、そこは役に立ちました。

――いわゆる人間観察ですね。

凛美 そうです。台本をもらって役がどんな子なのか、イメージはしやすくなったかもしれません。あと、ふとしたときに「こういうことを考えている自分はどんな顔をしているんだろう?」と鏡で見たりもしますし、作品もたくさん観るようにしています。

――どんな作品を観ました?

凛美 最近だと、配信で映画の『朝が来る』を観ました。母と「何を観る?」と話していて選んだんです。ドラマの『silent』も観ていて、あんなに手話に特化しているのが新鮮に感じます。現場ではどんな感じなんだろうと思って、公開されているメイキングも観ました。いち演者として、「ここでこういう表現をするんだ」「この方の演技はこんな特徴があるな」と考えたりもします。

――主演の川口春奈さんも、かつて応援マネージャーをやっていました。

凛美 そうですね。憧れです。

お年玉はずっと貯金しています(笑)

――年末年始は応援マネージャーの仕事で忙しいかと思いますが、例年だと、どう過ごしていますか?

凛美 おばあちゃんの家に集まって、大みそかはカウントダウンをしてクラッカーを鳴らします。年越しそばを食べて、元旦はゆっくり起きて、カーテンを開けると朝日がフワーッと差し込んで。本当に穏やかなお正月ですね。父方と母方と両方に行って、おばあちゃんのおせち料理も楽しみです。

――お年玉は何に使いますか?

凛美 毎年貯金しています(笑)。将来使いたいことがあって、何かは秘密ですけど、そのために取っておこうと。

――しっかりしてますね(笑)。初詣も行くんですか?

凛美 行きます。おみくじを引いて、みんなで神社の前で写真を撮って、毎年の変化を見ています。

殻を破って思い切った演技をしたいです

――今年の初詣での願いごとは、だいぶ叶ったのでは?

凛美 予想外のことがたくさんありました。誕生日も迎えて、また1年頑張りたいです。

――この1年で凛美さんにとって、応援マネージャーの他に大きかったことというと?

凛美 『マイファミリー』はとっても大きかったです。血を流して倒れているシーンが放送されたときは、心配するメッセージがたくさん来たり(笑)、一気に注目していただきました。家族愛のお話で、現場でも主演の二宮(和也)さんが家族や友だち役の役者さんたちと信頼し合っている感じが、すごく素敵だなと思いました。

――来年はどんなことを目指していきますか?

凛美 満足することは性格的に絶対ないんですけど、終わったときに「楽しかった」と言える1年になればと思います。頑張ることは好きなので、それが良い結果に繋がったらいいですね。

――どんなことを頑張りたいと思っていますか?

凛美 経験を積んで、思い切ったお芝居ができるようになりたいです。殻を破って進化できるように頑張ります!

撮影/松下茜

Profile

凛美(りみ)

2006年11月20日生まれ、東京都出身。

4歳でCMデビュー。2019年12月より『ニコラ』専属モデル。主な出演作はドラマ『女ともだち』、『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』、『マイファミリー』、『NICE FLIGHT!』など。『スマイルゼミ高校生コース』、『じゃがりこ』CMに出演中。2023年2月公開の映画『仕掛人・藤枝梅安』に出演。第101回全国高校サッカー選手権大会で18代目応援マネージャーに就任。

(C)日本テレビ
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芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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