Yahoo!ニュース

“ティーンがなりたい顔”のモデル・香音 「コンプレックスと向き合って自分のルールを決めました」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
撮影/逢坂聡 ヘア&メイク/榊ひかる(Lila) スタイリング/志田舞

『Popteen』の人気モデルで、ティーンが「なりたい顔」に挙げる香音。小さい頃から芸能人家族としてテレビに出演するたび「かわいい」と言われてきたが、まばゆいほどの美少女に成長した。バラエティ出演も増え、初のカレンダーを発売。そして、4月からは連続ドラマに初レギュラー出演と、ブレイクが予想される。20歳を前に話を聞くと、イメージ通りの明るさと共に、かわいさの裏の高い意識も垣間見えた。

かわいいものに囲まれていたいです

――小さい頃から「かわいい」と言われ続けている人生かと察しますが、「他のことで誉めてよ」みたいに思ったりはしませんか?

香音 全然なりません(笑)。むしろ、いくつになっても「かわいい」と言っていただけると、うれしくなります。「かわいくなったね」も、進化したところをちゃんと見てくださっているんだなと。

――香音さん自身、洋服やカラコンをプロデュースしていたり、YouTubeで公開したピンクの部屋には見た目がオシャレな洋書や面白いサングラスが飾ってあったり、かわいいものが好きみたいですね。

香音 大好きです! かわいいものに囲まれていたい想いはすごくあります。洋書の中身は読めていませんけど(笑)、ノートも自分で雑誌を切り張りしたり、とにかくかわいいものには目がないです。

――それだけに、部屋を散らかしたりはしないわけですね?

香音 ゴミを散らかしたりはしませんけど、お洋服で溢れちゃうことはあります(苦笑)。ファッションも大好きなので、撮影用の服や小道具、普通に着たい服でいっぱいになってしまうと、頑張って片づけています。

撮影/逢坂聡
撮影/逢坂聡

カレンダーでは自然体な自分を出しました

――初のカレンダーが発売されますが、自分ではどんなカレンダーを使ってました?

香音 ずっとお姉ちゃんのように仲良くしてくださっている永野芽郁ちゃんの卓上カレンダーを、毎年置いていました。今年は自分のと並べたいなと思います。

――自分のカレンダーを出すに当たっては、どんなこだわりがありました?

香音 私らしく、かのんワールドを詰め込みたいというのは、すごくありました。雑誌やSNSで見せている香音とはまた違う、プライベートっぽい部分も見せたくて。自然体な表情を撮ったり、20歳になるので、ちょっと大人っぽいメイクやお洋服にも挑戦してます。大好きなさくらんぼがモチーフのお洋服やアクセサリーも入れて、キラキラしたグリッターでメイクしていただいたりもしました。

――グリッターも好きなんですよね?

香音 そうなんです。あと、すっぴんっぽいカットやツヤっぽいカットもあって、本当に盛りだくさんなカレンダーになったと思います。12ヵ月のどこにどのカットを持っていくか、スタッフさんたちと話し合って決めて、ひと月ごとにまったく違う雰囲気になりました。

――表紙のカットは香音さんが選んだのですか?

香音 候補が何枚かあって、笑顔にするか、大人っぽい表情か、ふとしたときの表情にするか、結構迷いました。初めてのカレンダーということもあるし、いつもと違う香音っぽさを出したくて、アンニュイな表情の写真にしました。あれは寝転がって撮って、二の腕アピールにもなってますね(笑)。

撮影/逢坂聡
撮影/逢坂聡

小さい頃から芸能界はキラキラして見えて

――香音さんはお父さんが野々村真さんで、小さい頃から芸能界は身近な感じでした?

香音 そうですね。父の出ているテレビを観てましたし、一緒に番組に出させていただくと、すごく楽しくて。芸能界は本当にキラキラして見えました。それで小学3年生のとき、1人のタレントとして頑張っていきたいと思って、事務所に入りました。

――モデルをやりたかったんですか?

香音 いえ、最初に受けたのは小学生のファッション誌の『ニコ☆プチ』のオーディションでしたけど、何もわからなくてポーズも全然取れなくて。ずっとピースして、雑誌なのにスカートの端を持って跳んでいたんです。写真は完全にブレていて(笑)。でも、合格をいただいてから、ポージングの練習をたくさんしました。

――オシャレにはその頃から興味はあったんですか?

香音 ありました。幼稚園や小学校に着ていくお洋服も母と一緒に選んで、「今日はピンクがいい」と思ったら、髪のゴムから何から何まで、ピンクで固めていくような子でした。小学生の頃は、自分でお洋服の絵を描くのも好きだったんです。モデルのお仕事をやらせていただいて、自分で考えたお洋服も着て、それが皆さんのところに届いて。考えたら、たくさんの夢が叶ったと感じます。

撮影/逢坂聡
撮影/逢坂聡

自分の出る雑誌にどう貢献できるか考えました

――仕事について悩んだり、壁にぶつかったことはありませんでした?

香音 もちろんありました。ポージングや表情のこともそうですけど、「自分がこの雑誌の中でどういう存在で、どんな自分を見せたら貢献できるのか?」と、すごく考えたりもしました。今も考えながらやりつつ、楽しさが勝ってます。悩みは自分の中で消化して、エネルギーに替わっているように思います。

――煮詰まってヤケ食いするようなことはなく?

香音 普段からすごく食べるんです。アイスクリームが大好きで、テスト勉強の期間とか、1日に3個とか4個とか食べてしまって。そうすると明らかに体が重くなって(笑)、母に喝を入れられ、気持ちを入れ替える感じでやってきました。

――それにしても、『ニコ☆プチ』や『nicola』のモデルだった小・中学生時代から、ただ自分がかわいく写ることだけでなく、雑誌にどう貢献するかを考えていたんですね。

香音 自然とそういうことを考えていました。他のモデルの子と撮影することもありますし、お洋服の見せ方や、どうしたらかわいい写真になるかは、常に気にしています。

撮影/逢坂聡
撮影/逢坂聡

毎日2リットルの水を飲むのがノルマです

――「ティーンがなりたい顔」に挙げられる香音さんには、コンプレックスはないですか?

香音 あります。丸顔なのと、食べたらすぐ顔に出てしまうのは、ずっとコンプレックスです。

――今も解消されてないんですか?

香音 顔が丸いのは、骨格のせいでもあるので。でも、食べすぎた日はむくまないようにお風呂に長く浸かったり、半身浴やマッサージをちゃんとして、マイナスを取り返すことを心掛けてから、コンプレックスとの向き合い方がわかるようになりました。

――毎日必ずやるルーティンもありますか?

香音 マッサージもしますし、お水は毎日2リットル以上飲むようにしています。

――大きなペットボトルを毎日空けているわけですか?

香音 500ミリのペットボトルでちょっとずつ飲むようにしてますけど、2リットルってなかなかで、結構キツいんです(笑)。

――かなりの量ですからね。でも、必要なことだと。

香音 そうですね。テスト勉強とかで夜ふかしをしたり、生活習慣がちょっと乱れると、肌荒れが出てしまって。それがすごくイヤだったので、あれこれ試したら、お水を飲むことが自分には一番効果的だったんです。乾燥肌も潤う気がします。だから、毎日寝るまでに2リットル飲み終わるように、ルールをミッションみたいにして、楽しみながら生活しています。

――モットーや座右の銘もありますか?

香音 座右の銘は小学生の頃から「明日やろうはバカ野郎」です。プライベートのことも勉強もそう。お仕事と学校の両立はすごく大変で、高校生の頃はテスト前とか「どうしよう!?」って切羽詰まってましたけど、この言葉で自分に喝を入れて、頑張ってました。

――勉強だと、「今日は問題集を何ページやるまで寝ない」みたいな?

香音 そうですね。そういう感じでした。

撮影/逢坂聡
撮影/逢坂聡

初の連続ドラマでブラックさを強烈に出します

――4月からはドラマ『高嶺のハナさん』にレギュラー出演します。

香音 小さい頃から演技レッスンに通っていて、お芝居はすごくやりたかったんです。初めての連続ドラマのレギュラーなので、頑張ろうと思ってます。

――去年のYouTubeドラマ『DISTORTION GIRL』のギャル役も面白かったです。

香音 ギャル役も金髪にしたのも初めてでした。演技のレッスンは楽しくて続けていましたけど、あのギャルルの役が本格的にチャレンジしたいと思うきっかけになりました。

――『高嶺のハナさん』で演じるのは、お菓子メーカーのアイドル的な社員の天井苺。

香音 計算で男性たちを手玉に取る女の子です。見た目はすごく甘いし、あざとくてかわいいんですけど、中身は真っ黒(笑)。“ブラックいちごちゃん”と呼んでます。でも、家では干物女子というか、ずっとジャージでいるのでギャップがあって。原作マンガを読んだときから、「こんなに面白い役をやらせていただけるんだ」とすごく楽しみでした。メリハリを付けて演じていきたいです。

――香音さんがあざとさを出したら、相当強力そうですね(笑)。

香音 どうですかね(笑)? 男性ウケは意識しつつ、苺ちゃんは職場の女性たちに嫌われているわけではないので。みんなに程良くいい顔しながら、計算高く、男性がどうしたら自分のものなるかを考えていて。泉里香さんが演じる主人公の高嶺華さんの恋のライバルになるので、みんなの前では甘いけど、裏でブラックなところを強烈に出せたらいいなと思います。

――楽しみにしています。

香音 私に「ブラックなイメージはない」と言われますけど、そんなことはないですよと(笑)。「この子は本当は真っ黒なんじゃないか?」と思われるくらいの演技をしたいです。

撮影/逢坂聡
撮影/逢坂聡

1年は一瞬だからスピードを上げないと

――4月には20歳の誕生日も迎えます。自分が大人になってきた実感はありますか?

香音 ちょっとはあるかもしれません。お洋服は今まで、海外ガールが大好きで、プリーツスカートやミニスカートをよく穿いてました。最近でもミニスカートは穿きますけど、色味が落ち着いてきて。バービー人形やピンクはお部屋の雰囲気に入れるのは変わらず好きでも、ファッションに取り入れることは減ってきました。洋服は落ち着いた感じ、持ち物はかわいい感じにチェンジできてきました。

――逆に、自分でまだ子どもだと思う部分も?

香音 子どもだと思うところだらけです(笑)。お菓子が大好きで、辛いものはちょっと苦手。あと、炭酸も大好き。20歳になったら、お酒を飲めるじゃないですか。両親は「乾杯しようね」と言ってくれますけど、絶対にメロンソーダやサイダーのほうがおいしい自信はすごくあります(笑)。

――カレンダーを全部めくった1年後には、どんな自分になっていたいですか?

香音 今よりもっと大人になっていたいです。いろいろと進化して、自立した女性になりたくて。19歳から20歳になるまでの1年はすごく速くて、一瞬に感じました。たぶん20歳の1年も一瞬になりそうだから、スピードを上げて頑張っていきたいと思います。

撮影/逢坂聡
撮影/逢坂聡

Profile

香音(かのん)

2001年4月20日生まれ、東京都出身。

2013 年に「第1回ニコ☆プチ モデルオーディション」でグランプリを受賞し、『ニコ☆プチ』専属モデルに。表紙を12号連続で飾る。2015年から『nicola』専属モデルとなり、2019 年から『Popteen』専属モデル。4月10日スタートのドラマ『高嶺のハナさん』(BSテレ東)に出演。

『香音オフィシャルカレンダー2021.4-2022.3』

3月28日発売 1700円+税

    (C)SDP
    (C)SDP

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

斉藤貴志の最近の記事