『ごくせん』で台詞がほぼなかった松山ケンイチや水嶋ヒロ

 かつて20%超えの高視聴率を連発した学園ドラマ『ごくせん』(日本テレビ系)。仲間由紀恵が任侠集団で育った教師役で主演しつつ、2002年の第1シリーズでは生徒役の松本潤、小栗旬らも人気を博した。2005年の第2シリーズでは亀梨和也、赤西仁、速水もこみち、小池徹平、2008年の第3シリーズでは三浦春馬、三浦翔平らが脚光を浴びている。

 同シリーズでは、こうしたメイン以外の生徒役は全員、役名と芸名の下の名前が同じ。最初から明確に“メイン”と“その他”が分けられていた。『3年B組金八先生』(TBS系)のように、回ごとに展開の中心となる生徒が替わる形ではなくて。

 だが、『ごくせん』のその他大勢の中に、第1シリーズでは松山ケンイチや上地雄輔、第2シリーズでは水嶋ヒロや高良健吾、第3シリーズにはユージらがいた。毛利研一という役名だった松山や水嶋、高良はこのときが初のドラマ出演。ほとんど台詞はなかったが、後の活躍は周知の通りだ。

期待の新鋭を揃えた『3年A組』には生徒間格差も?

 近年、若者層のテレビ離れからドラマもおおむね大人向けにシフトして、学園ドラマはめっきり減った。そんな中、このクールで放送されているのが『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)。学園ドラマといっても王道の青春モノ、熱血教師モノではなく、卒業10日前に担任教師(菅田将暉)がクラスの生徒を人質にして教室に立てこもり、ある女子生徒の自殺の真相に向き合わせようとするミステリーだ。

 それでも生徒役として10代から20代前半のキャストを揃え、昨今では貴重な若者中心のドラマとなっている。しかも、顔ぶれがなかなか豪華。朝ドラ『半分、青い。』(NHK)のヒロインだった永野芽郁を始め、精鋭や有望な新鋭を集めた。女子生徒は美少女揃いで、学校のリアリティには欠けるが、業界筋や若手女優ウォッチャーから見たら、贅沢なキャスティングになっている。

 学園ドラマが少なく、他のプライムタイムのドラマでは10代ほどの若手の枠が限られている中、各事務所がここぞとばかり、推しの若手を送り込んだ側面もあるだろう。

 公式HPのキャスト相関図を見ると、生徒役の1人1人に人物設定が記されていて、『金八先生』のように、全員でなくても順繰りで脚光が当たっていくのかとも思えた。だが、1・2話を観ると、『ごくせん』式にメインの生徒とその他が分けられているようだ。

 メインは学級委員役の永野と自殺した水泳部員役で回想で登場する上白石萌歌のほか、川栄李奈、今田美桜、福原遥あたりのすでに実績と人気を持つ面々。上白石は昨年好評だった『義母と娘のブルース』(TBS系)に続くキーパーソン役だ。今回は陰のある役どころで胸を震わせる演技力も手堅く、ブレイクの気配が漂う。

女優デビューの新條由芽らブレイク候補にも注目

 一方で、“その他”の中にも、逸材が多いのは間違いない。たとえば、おさげ髪の金沢玲央役で、今回が女優デビューの新條由芽(写真)。

 群馬出身の20歳で、もともと控えめな性格だったそうだが、「写真に撮られると違う自分になれる気がして」と、高校時代にフリーランスでモデル活動を開始。圧倒的なかわいさで地元で知る人ぞ知る存在になり、ネットでも話題に。昨年2月には『ヤングジャンプ』の巻末グラビアに“史上最強の素人”として登場している。

 これをきっかけに、いくつかの芸能事務所からスカウトの声が掛かった中、5月より現事務所・エープラスの所属になった。10月に「週刊プレイボーイ」の52周年創刊月間のアドボードに吉岡里帆と2ショットで共演して目を引いたほか、森永製菓『おいしくモグモグたべるチョコ』CMなどにも出演。“茶道裏千家上級”と“書道成人の部 中等部師範免許”の資格を持つなど、和の文化に造詣が深く、取材では本人のたたずまいにも品が漂っていた。

 『3年A組』の金沢玲央は“生活水準低めの控えめ女子”との設定があり、本人は「貧乏キャラです」と話していて、1話では人質として教室に閉じ込められた中で「ごはんが出れば食費が浮いていいな」との台詞があった。現状画面に映ることは少なく、演技力も未知数だが、一瞬でも目を引くヴィジュアル力の高さはドラマでも発揮されている。

提供/日本テレビ
提供/日本テレビ

 生徒役では他にも、アニメ『妖怪ウォッチ』のエンディングテーマ「ようかい体操第一」を大ヒットさせたDream5の元メンバーで、グラマラスボディのグラビアで活躍する大原優乃、『Seventeen』の人気モデル・横田真悠、映画『LDK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』や『惡の華』の公開が控える秋田汐梨なども、今のところ目立たないながら出演している。

 今後彼女たちにスポットが当たる回があるのかもしれないが、こうした“その他”のキャストから、『ごくせん』の松山ケンイチのように数年後にブレイクする存在が出る可能性は高い。永野芽郁や上白石萌歌たちだけでなく、3年A組の教室の隅まで目を凝らして観ておいても損はない。