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「金正恩の娘」1年でこの様変わり! 着々と後継者の道を歩む!?

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
空軍式典(左)と昨年11月の「火星17」発射場(右)での金親子(労働新聞から)

 金正恩(キム・ジョンウン)総書記が昨日(30日)、娘を連れて航空節(11月29日)の式典に参加していたが、「朝鮮中央通信」が今朝、配信した写真を見て驚いた。まだ子供なのに革のオーバーコートにサングラス姿だったからだ。 

 金総書記と李雪主(リ・ソルジュ)夫人の間に子供が何人いるのか、正確なことは何一つわかっていないが、仮に巷間言われているように2012年生まれの第2子ならば、まだ11歳の小学生である。

 娘が世間にお披露目されたのは確か、昨年11月18日。大陸間弾道ミサイル「火星17」の発射場に父親と一緒に現れたのがきっかけだ。白いダウンジャケットを着て、父親と手を繋いで現れていた。いかにも子供らしく、この時は母親の李夫人も付き添っていた。

 ところが、それから1週間後に「火星17」発射成功に寄与した科学者・技術者らと記念写真を撮った時は、今度は白いダウンジャケットではなく父親に合わせたのか、襟元がふわふわした黒のコートを着て現れていた。

 また、半そで姿で9月9日の建国記念日の式典に現れた時は右手に腕時計が巻かれていた。そして、今度は革のコートである。ヘアースタイルから服装と、段々と大人び、「後継者」のような雰囲気を醸し出し始めている。

 労働新聞をはじめ北朝鮮のメディアは今回、娘を「愛するお嬢様」と紹介していたが、先月23日の軍事偵察衛星成功祝賀宴に出席した際には「尊敬するお嬢様」と呼んでいた。父親が尊敬しているのではなく、国民が敬っているという意味であることは言うまでもない。

 「尊敬する」という敬称は金日成(キム・イルソン)―金正日(キム・ジョンイル)―金正恩(キム・ジョンウン)の3人の最高指導者にしか使われない「称号」である。ちなみに李雪主夫人もこのようには呼ばれない。

 娘は金総書記が午前中に空軍司令部を訪れた時は随行してなかったが、午後の第1空軍師団連隊の訪問から合流し、空軍師団の迎接儀式には父親と一緒に臨んでいた。また、監視所に上がって飛行士らのデモンストレーション飛行を参観し、部隊の文化会館で行われた航空節に際する朝鮮人民軍空軍協奏団の公演も鑑賞していた。

 金親子には朴正天(パク・ジョンチョル)党軍政指導部長(元帥)と李永吉(リ・ヨンギル)軍総参謀長(次帥)らが同行し、現地では金光赫(キム・グァンヒョク)空軍司令官(大将)ら空軍幹部らが出迎えていたが、娘は8月28日の海軍節の際にも父親と一緒に海軍司令部を訪れていた。

 当時、配信された22枚の写真のうち娘は12枚に写っていたが、その中には軍幹部らと整列し、海軍儀仗隊の分列行進に接見する写真や作戦指揮所で海軍司令官から作戦に関する状況報告を受けている写真、さらには式典で軍最高幹部らと並んで着席している写真も含まれていた。

 今回も空軍幹部らと並んで撮った写真を含め後継者並みの扱いを受けた写真が何枚も含まれていた。

(参考資料:「金正恩の後継者」はやはり娘の「ジュエ」か!)

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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