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韓国のメディア「金正恩が老けた!」 なぜ?

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
12月4日(左)と12月17日の金正恩総書記(労働新聞と朝鮮中央テレビから)

 韓国のメディアが17日に行われた故・金正日(キム・ジョンイル)総書記死去10周年の追慕式典に出席した金正恩(キム・ジョンウン)総書記の表情を見て、一斉に「老けた」「やつれた」「病気を患っているのでは?」と報じていた。

 またぞろ「金正恩健康異変説」を伝えた各紙をみると、「ソウル新聞」は「84年生の金正恩が瞬時に老いた!経済、健康のせいか?」、「ソウル経済」は「何が起きたのか・・・30代金正恩の急激な老化に『健康異常』』、「韓国経済」は「30代は本当か?金正恩が急激に老化」、「アジア経済」は「57歳だとしても信じられる・・30代の金正恩が急激に老化したことに話題集中」との見出しをそれぞれ掲げていた。

 その中で「国民日報」は今月1日に室内で行われた党政治局会議での表情と比べて「2週間で何があったのか?30代金正恩が急激に老化」の見出しを掲げ、「顔が赤黒く、口はへの字でほうれい線などのしわも深くなっている。急に老け込んだ感じだ」と書いていた。

 新聞だけでなく、「MBN(毎日放送)」も「金与正『権力序列上昇』…急激に老化した金正恩」、「テレビ朝鮮」も「金正恩急激に老化…1年でこんなことが」と金総書記のやつれぶりを伝えていた。

 写真を見た韓国のネットユーザーからも「頬がコケている」「37歳ではなく、57歳だったとしても不思議ではない」「持病の糖尿病が悪化したのでは」との書き込みが各紙に寄せられている。

 配信された映像をチェックする限り、確かに1か月前に中国との国境に近い両江道・三池淵市の建設現場を視察した時の写真や12月4日の平壌で開かれた軍事教育活動家大会での写真と比べてみると、顔色が良くない。疲れているのか、物思いにふけっているのか、それとも何か悩み事でもあるのか、表情が実に暗い。最初から最後までぼおっとしていて、虚ろな表情だった。

 当日は北朝鮮全域に厳しい寒さと強風警報が出ていた。気温は零下5~6度で体感温度は零下20度と言われていた。

 強風にさらされ野外で1時間近く立っていれば、平素とは表情が変わって不思議ではないが、雛壇に並んだ他の幹部らの表情はほとんど変わっていないだけに金総書記の険しい表情だけが際立った。再び、健康不安説が取り沙汰されそうだ。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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