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「減量中の金正恩」 1か月も公の場に現れず!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
昨年10月(上段左)から1年経った現在(下段右)の金正恩総書記(労働新聞から)

 金正恩(キム・ジョンウン)総書記が先月11日にミサイルなどが展示された国防発展展覧会に出席して以来、1か月間公の場に出てきていない。

(参考資料:突然ミサイル発射に立ち会わなくなった金正恩総書記 過去5年間を検証する)

 日本海に面した元山沖に金総書記専用の豪華クルーザーが停泊していることが偵察衛星によってキャッチされたことから「金総書記は元山の招待所(別荘)で静養している」と米韓情報当局は睨んでいるようだ。

 核やミサイル問題と並んで国際社会が注視しているのが金総書記の健康問題である。経済苦境などストレスを抱え、また肥満であることから長期不在の度に「倒れたのでは?」「手術を受けているのでは?」とその都度、健康不安説が駆け巡るが、それとは裏腹に血色良く、スリムになった状態で再登場しているのがこれまでのパターンである。

 韓国の情報機関「国家情報院」(国情院)は金総書記の体重を一時140kg(身長約170cm)と推定していた。体重については120kg~130kgとの説もあるが、どちらにしてもウェイトオーバーであることには変わりない。少なくとも写真や映像をチェックする限り、金総書記は今年5月までは相も変わらず肥満体であった。

 ところが、5月6日の軍人家族芸術公演を観覧したのを最後に約1か月間、動静不明だった金総書記が6月4日に党政治局拡大会議に現れると、その姿に誰もが目を疑った。

 全体的に贅肉が落ち、頬の肉が縮み、顎のラインも少し露出していた。1月の党大会の時と同じ眼鏡をかけていたが、耳のあたりをみると、つるも食い込んでいなかった。明らかに痩せていたのである。その豹変ぶりは国際的なニュースにもなった。

 金総書記の「変化」はこの秋にも見られた。

 金総書記は8月20日の平壌市内の住宅建設視察を最後に3週間近く動静が途絶えたが、9月10日の建国3周年の閲兵式に登場した際にはさらにスリムになっていた。それからまた約3週間後の9月29日、最高人民会議の場に現れた時はさらに痩せていた。

 先月(10月)の公式活動は党創建76周年記念式典(10日)と国防発展展覧会(11日)の2度だけだが、リバウンドはしておらず、依然として減量に取り組んでいることが見てわかる。

参考資料:減量中の金正恩総書記 リバウンドせず!)

 「激やせは病気でなく、減量による」というのが韓国情報機関の分析である。食事療法によるダイエットが功を奏したのか、運動などトレーニングによる効果なのか、あるいは薬物療法によるものなのか、減量手法は不明だが、明らかなことは長期休養の後はスリムになっていることだ。となると、今度、現れる時はさらに減量しているかもしれない。

 金総書記はかつて「革命をやろうとするならば、体も健康でなければならない」と語ったことがある。自らが健康管理に努めているのは明らかだが、それにしてもダイエットは我慢できても、タバコだけはどうにも我慢できないようだ。

 全国で禁煙キャンペーンが展開され、朝鮮中央テレビには「朝からタバコを吸う人は健全ではない。周りの環境にも不快感を与えるので非常識だ」と喫煙家を非難するインタビューまで流されているのに金総書記は相も変わらず喫煙している。国防発展展覧会でもランドテーブルを囲んで幹部らと喫煙していた。

(参考資料:マル秘資料「金正恩Xファイル」)

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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