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感染者が減少する韓国! 増大する日本! その差は?

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
PCR検査を行う感染安全診療所のブース(出所:ソウル市)

 日本は少し前まで感染拡大を押さえていると言っていた。安倍総理も3月14日の記者会見で「WHO(世界保健機関)が今週、パンデミックを宣言したが、人口1万人当たりの感染者数を比べると、我が国は0.06人にとどまっており、韓国、中国のほか、イタリアを始め、欧州では13か国、イランなど中東3か国よりも少ないレベルに抑えることができている。こうした状況を踏まえれば、現時点で緊急事態を宣言する状況ではない」と言っていた。

 確かに、人口比率からみると、1万人に当りの感染者数ではイタリア(人口約6千万人)は4.64人、韓国(約5千万人)は1.60人で、日本(1億2千万人)は0.07(16日現在)と圧倒的に少なかった。

 ところが、一転、安倍総理は4月7日に緊急事態宣言を発令した。発令理由について安倍総理は首都・東京での感染者が累計で1千人を突破したことを挙げ「このペースで感染拡大が続けば2週間後には1万人、1か月後には8万人を超える」と説明していた。東京が4月4日、5日と連続して三桁の感染者を確認したこともあってそうした危機感を抱くのは当然かもしれない。

 日本と同じ頃に最初の感染者が確認された韓国で感染者が1千人を超したのは2月26日(1261人)だ。前日から284人増え、初めて1千人を超えた。しかし、1万人を超えるまでには1か月以上もかかっている。今月(4月)3日になって前日よりも86人増えて、1万62人となった。

 「2週間後に1万人、1か月後に8万人」は韓国を参考にすれば、想像を絶する速さであることがわかる。

 安倍総理は東京の感染者の推移を例に懸念を表明しているので本来ならば、首都のソウルと比較すべきだが、ソウルは過去一日の最多が49人で、一度も100人台の感染者を確認したことがないので比較のしようがない。あえて対象とするならば、オーバーシュートを引き起こし、韓国全体の感染者のうち65.3%を占めている韓国の第3の都市・大邱であろう。

 2月18日に最初の感染者が確認された大邱市は5日後の23日に初めて三桁(148人)の感染者を確認し、翌24日も141人の感染者が出た。25日には一旦二桁(56人)に下降したものの、26日には再び上昇し、三桁(178人)となり、27日には340人の感染者が出たことで累計1千人を超し、この時点で1017人となった。

 しかし、この時から42日経過したが、大邱市の現在(4月9日時点)の感染者数は6807人で、1万人には程遠い。

 大邱市はこの期間、2月29日には最多の741人を、また3月1日から3日まで連日500人台の感染者を確認したが、それでも累計で1万人に迫ることはなかった。

 東京は大邱市よりも人口数で約6. 5倍多い。単純に6. 5倍を掛けると、東京の感染者は42日後には4万4245人まで増えることになるが、大邱市は新天地教会での集団感染が全体の約8割強を占めていることから東京をそのまま当てはめるには無理がある。

 日韓は共に経済でも、観光でも中国に依存している。 日中貿易(約3537億7千万ドル=19年)は韓中貿易(約2434億3千万ドル=19年)よりも1千億ドル以上も上回っている。中国人観光客も日本(959万人)は韓国(約600万人)よりもはるかに多い。まして、総人口も日本(約1億2600万)は韓国(約5100万)の2倍以上だ。

 国全体の感染者では韓国の1万423人に対して日本は4913人と、韓国が2.1倍多い。その反面、首都はソウルの590人に対して東京が1338人と、2.2倍多い。このアンバランスは何とも不思議だ。

 客観的に見ると、一日の感染者数では3月23日(東京16人に対してソウル6人)に、また、累計の感染者数でも6日後の3月29日(東京431人に対してソウル413人)には東京がソウルを上回ってしまったこと、さらに国の一日の感染者数でも3月27日(日本の123人に対して韓国91人)を機に韓国を上回っていることからこのまま歯止めがかからなければ、日本全体の感染者が韓国を上回る日が来るかもしれない。その理由は一日の感染者数の差である。

 韓国の感染者は4月1日の101人を最後に2日89人、3日86人、4日94人、5日81人、6日47人、7日47人、8日39人と減少し、この3日間は50人を切っている。一方、日本は4月1日267人、2日279人、3日354人、4日366人、5日362人、6日242人、7日360人、8日515人と上昇一途を辿っている。

 韓国の感染者数が下降し、逆に日本が上昇することになった理由は韓国が日本よりも早くオーバーシュートしたからなのか、それとも徹底したPCR検査が効を奏したからなのか不明だが、どちらにせよ日本にとっては韓国が格好のサンプルになることは言うまでもない。

(参考資料:「コロナ感染」の検査も、軽症者の「施設」も、お手本は欧米ではなく、隣国にあり!

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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