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「GSOMIA破棄」が52% 「日本不買運動参加」が77%!韓国の最新世論調査結果

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
米韓合同軍事演習(写真:ロイター/アフロ)

 日米両国が撤回を求めている日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄は韓国政府が見直さない限り、今月23日零時をもって終了する。韓国が日本に通告した破棄有効期限まで10日と迫った。

 米国は米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が今日(13日)、韓国を訪れる。エスパー国防長官も15日にソウルで開催される第51回米韓安保協議会に出席するため訪韓する。国防省と制服組のトップがソウルに乗り込んで韓国を説得する構えだが、韓国政府は「日本がホワイト国除外など一連の経済制裁措置を撤回しない限り、破棄の方針を変えるつもりはない」(青瓦台スポークスマン)との原則を貫いている。

 安全保障の観点から国防部も、また米韓同盟関係の維持の必要性から外交部もGSOMIAの破棄には消極的だが、最終的な意思決定は青瓦台(文在寅大統領)にある。

 

 米国が圧力を掛けようが、野党が反対しようが、最高権力者の文在寅大統領が翻意しない限り、GSOMIAの破棄が覆ることはない。文大統領の判断基準は言うまでもなく、民意(世論)である。そこで、注目されるのが世論の動向である。

 韓国の世論調査会社「コリア・リサーチ」が韓国放送会社「MBC」の委託を受け、8日から9日にかけて全国有権者約1千人を対象に行った世論調査の結果が11日に発表されたが、「予定通り破棄すべき」が52.1%、「破棄すべきではない」が37.5%と、一週間前に実施された「リアルメーター」の調査結果よりも、さらに差が開いた。

(参考資料:GSOMIA「破棄」が「撤回」を上回る! 韓国の最新世論調査結果)

 「リアルメーター」の調査では「このまま破棄すべき」が48.3%、「撤回すべき」が37.6%と、その差は10.7%だった。

 韓国の世論調査は「リアルメーター」や「韓国ギャラップ」など専門の調査会社に委託するケースと、新聞などの媒体が独自に行う調査があって多くの場合、結果にズレが生じることから若干信頼性に疑問も残るが、それでもGSOMIAに関しては複数の調査の結果、「破棄」が「維持」を上回っていることには変わりはない。

(参考資料:韓国の世論調査は信用できるのか? 不可解なチョ法相をめぐる調査結果)

 「MBC」が数か月前に発表した調査では「破棄すべき」と「維持すべき」が44.6%vs41.4%と拮抗していたが、時間が経つにつれて、韓国の世論が「破棄」に傾いていることが窺い知れる。

 一方、民間が主導している日本製品不買運動に関する設問では「参加している」が77.6%で、「参加してない」の21.4%を大きく上回った。

 3か月前の調査(「参加」77.5%、「不参加」19.8%)とほとんど変わらず、不買運動は開始から3カ月経っても継続され、国民の3人のうち2人が今なお、不買運動に同調、参加していることがわかった。

 今回の調査では米韓の焦点となっている駐韓米軍の防衛費負担増額についても質しているが、米国が現状の5倍の5兆ウォンを要求していることについては「引き上げても昨年の引き上げ率8.2%を超えてはならない」が52.6%と最も多く、「これ以上引き上げる必要はない」の41.8%を上回った。

 今後の韓国経済の展望についても質しているが、「悪くなる」との回答が45.5%と「良くなる」の18.9%を圧倒していた。韓国国民が経済を悲観的に捉えていることがわかった。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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