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受験生の親として不安に取り憑かれたら試してほしい3つのテクニック

おおたとしまさ育児・教育ジャーナリスト
何やってんの!って言いたくなる気持ちをいったん我慢(写真:イメージマート)

受験生にとってはいよいよ追い込みの時期。本人も大変だけれど、それを見守る親御さんの心情も不安定になりがちです。

余裕はないはずなのに子どもが余裕をかましていると、つい小言を言いたくなってしまいます。そこで反抗されたりすると、「あなたがやるって言ったんでしょ! そんな中途半端な気持ちなら受験なんてやめちゃいなさい!」なんて心ない言葉をぶつけちゃったりしますよね。

こうなってしまうと、子どもだっていい気持ちはしませんから、もはや子どもの足を引っ張っていることになりますよね。そこで今回は、この悪循環を止めるために試してほしいことを、近著『中学受験生を見守る最強メンタル!』(光文社)から、特に効果的な方法を3つピックアップして提案したいと思います。

1つめは外在化というテクニックです。

自分の中のイライラしている気持ちに、名前を付けちゃってください。たとえば妖怪フアンフアンとか、怪獣ギャーギャーとか。そしてその妖怪や怪獣を、どうやったら鎮められるかと考えます。

要するに、自分自身がイライラしたり不安になったりしているんじゃなくて、自分の中にあるもう1つのキャラクターが、イライラしたり不安になっているだけなんだととらえるんです。

自分で自分をコントロールするって難しいですけれど、客観的になると、「ほら、そんなイライラを子どもにぶつけてもどうせいいことないでしょ」と説得したりとか「不安だよね。しょうがないよ」と慰めたりとかできますよね。

こうやって幾分でも自分の中の不安定な気持ちを抑えることができます。

2つめはスケーリングです。

イライラや不安が高まってきたとき、「いまのイライラ度合いは10点満点中の何点くらいかな?」などと数値化します。たしかにイライラはしているけれど、まだ5点くらいだ。このまえは8点だったからまだましだ。などと自分の心理状況を点数化します。数字に置き換えるだけで、客観視できて、悪循環を止めやすくなります。

3つめは例外場面の発見です。

イライラ度合いが10点を超えそうで、怪獣ギャーギャーが暴れ出して、このままでは子どもに暴言をぶつけてしまいそうなときは、過去に似たような状況でも最悪の事態を回避できたことがなかったかを思い出してみてください。

ものすごくイライラして、今日こそは子どもに一言ガツンと言ってやろうと思っていたのに、たとえば、古いお友だちから電話がかかってきて、「最近どう?」なんて話から、愚痴を聞いてもらうことで、「ま、もうしばらく見守ってみよう」などと思えたことはありませんでしたか?

だとしたら、そのお友だちに「最近どう?」って電話してみるのです。

いつもの悪いパターンが例外的に回避できたときのことを思い出して、そのときと同じような状況を意図的につくります。同じ状況ができたことで回避できたというよりも、そちらに意識が向けられているだけで、感情が暴走するのを止める効果があります。

うまくいくかどうかはわかりませんが、こんな方法で、うまく自分の感情を受け流してやりすごして、受験生を支えてあげてください。

受験生の親として、不安になったり、焦ったり、落ち込んだりするのは決して悪いことではありません。親が親だからこそ味わえる苦しみです。そんな苦しみを味わい尽くすのも、親になれた醍醐味のひとつなんだろうと思います。

受験がどんな結果になったとしても、親がよほど余計なことをしなければ、終わってみれば、大概笑い話になりますから。

※2023年10月19日のFMラジオJFN系列「OH! HAPPY MORNING」でお話しした内容です。

育児・教育ジャーナリスト

1973年東京生まれ。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退。上智大学英語学科卒業。リクルートから独立後、数々の育児・教育誌のデスクや監修を歴任。男性の育児、夫婦関係、学校や塾の現状などに関し、各種メディアへの寄稿、コメント掲載、出演多数。中高教員免許をもつほか、小学校での教員経験、心理カウンセラーとしての活動経験あり。著書は『ルポ名門校』『ルポ塾歴社会』『ルポ教育虐待』『受験と進学の新常識』『中学受験「必笑法」』『なぜ中学受験するのか?』『ルポ父親たちの葛藤』『<喧嘩とセックス>夫婦のお作法』など70冊以上。

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