1977年、神戸市生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程修了。博士(日本語日本文学)。東海大学文学部在学中よりサンスクリット語とインド神話を学ぶ。専門はインド神話・比較神話。著書に『マハーバーラタの神話学』(博士論文、弘文堂)、『怖い女』(原書房)、『人間の悩み、あの神様はどう答えるか』(青春文庫)、『マハーバーラタ入門』(勉誠出版)、『世界の神話』(岩波ジュニア新書)、『マハーバーラタ、聖性と戦闘と豊穣』(みずき書林)。監訳書に『インド神話物語 マハーバーラタ』(原書房)がある。
記事一覧
- 殺害の神話とハイヌウェレ
インドネシアにハイヌウェレという少女が殺害されて切り刻まれ、その死体から様々な種類の芋が発生したとする農耕の起源を語る神話がある。インドの神話にはこのハイヌウェレ型神話によって解釈できるものがある。
- 「バーフバリ」は現代の神話だ… インド神話研究者が強く心を揺さぶられた理由
インド映画『バーフバリ』シリーズの完全版ブルーレイBOX & DVD BOXが、12月1日(水)に発売されることが決定した。『バーフバリ』の魅力と神話とのつながりについて、紹介していきたい。
- 『マハーバーラタ』の火のテーマ1――ジャナメージャヤ王の蛇供犠
『マハーバーラタ』の隠れた主題は、「火」である。この叙事詩は何度も「火」の要素を描き、その主題である大戦争も火で終わる。その火のモチーフが最初に出てくるのが、ジャナメージャ王の蛇供犠だ。
- インド二大叙事詩の女主人公、ドラウパディーとシーター その反復と変形の構造
インド二大叙事詩に『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』がある。それぞれの女主人公であるドラウパディーとシーターには、似ていてかつ一方が他方の裏返しのような、不思議な関係が見られる。
- サーヴィトリー物語は逆オルペウス型神話か
インド叙事詩『マハーバーラタ』に「サーヴィトリー物語」という挿話がある。サーヴィトリー姫が死んだ夫の魂を死神ヤマから取り戻して生き返らせた話だ。ギリシアの神話と比較しながらこの話について考えてみよう。
- 人物と思想で読み解くインド叙事詩『マハーバーラタ』6:戦争のはじまり――大地の重荷
『マハーバーラタ』の主題は王位継承権をめぐる従兄弟同士の大戦争である。その根源は天界のはかりごとにあった。「大地の女神の重荷」というテーマだ。生類を減らす目的のために、戦争が行われたのだ。
- 人物と思想で読み解くインド叙事詩『マハーバーラタ』5:カルナ
人気ゲームFGOにおいて、クリスマスイベントに『マハーバーラタ』のカルナがサンタクロースの姿で登場することが予告された。このカルナの神話的背景を解説したい。
- 人物と思想で読み解くインド叙事詩『マハーバーラタ』4:ユディシュティラ
『マハーバーラタ』の主役の英雄であるパーンダヴァ五兄弟の長男ユディシュティラ。彼は法の神ダルマを父として生まれてきた。父神の神話は希薄であるが、ユディシュティラは「王」として兄弟の中で絶対の力を持つ。
- 人物と思想で読み解くインド叙事詩『マハーバーラタ』3:マーヤー
インド神話には「マーヤー」と呼ばれる不可思議な力の話がある。これは、古くは天空の至高神ヴァルナが得意とするものだったが、やがてヴィシュヌ神に特徴的なものとされていく。マーヤーとは何かを読み解いていく。
- 人物と思想で読み解くインド叙事詩『マハーバーラタ』2:ビーマ
インド叙事詩『マハーバーラタ』の人物解説、第二回目はビーマだ。主役のパーンダヴァ五兄弟の次男で、最も原始的な武器である棍棒を持ち、その腕力を頼りに戦う。ビーマは、まさに力の化身だ。
- 人物と思想で読み解くインド叙事詩『マハーバーラタ』1:アルジュナ
『マハーバーラタ』随一の英雄であるアルジュナ。父は神々の王インドラ、母は人間のクンティーだ。彼はアグニ神から授かったヴァルナ神の神弓ガーンディーヴァを操り、多くの神々から授かった神的武器を用いて戦う。
- インド映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』にみる猿神の越境性
2019年に日本で公開されたインド映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』。神話の猿神ハヌマーンの愛称を持つ主人公の活躍を描く。この映画に、猿神はどのように関わっているのか、読み解いた。
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